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全サービス業共通 哲学編

PHILOSOPHY 

 差別と区別の違い

 
 
 
本講義は、哲学編の前半部の終わりであり、一つの区切りとなるものです。
 
 
商人道義塾の哲学編の講義を受けた上でないと、本講義は分かりにくい内容と思われます。
 
差別と区別の違いを知って接客することは、サービス業従事者にとって非常に大事な心得の一つです。
しかし、差別と区別の違いが分からないまま従事している人の方が多いのです。
 
なぜ、分からない人が多いのか。実は、店頭で働いている人達が分からないのではありません。実際は、分からなくても良い、考えなくて良いと言う態度の管理職が増えているためです。
 
そのため、パートタイム職員は、業務指示に従って業務を行っているに過ぎず、本来は識別する能力があると思われる人もいます。
 
ではなぜ、差別と区別を意識的に分けようとする管理職が少なくなったのか。
あなたは分かるでしょうか。
 
これは、平等公平という意味を考えずに管理職に就く人が増えたこと。
そして、波風が立つことを嫌い、自分達に責任追求がされないように、問題が生じる前に先んじて、すべてのお客さまに実施する。これが、リスクマネジメントだと誤解している管理職が増えているからです。
 
例えば、未成年に酒類の販売は違法です。しかし、私のように、どこから見ても十代に見えない年齢の人まで「年齢を確認しました。」と、あからさまに言う行為。あるいは、年齢確認のためタッチパネルを押してくださいと言われる。これは、お客さまのために行っているように見えて、実は完全に売り手都合で行っているものです。
 
また昨今多いのが、次のような事例があります。
 
ポケットからむき出しのお金をだして、商品代金を支払おうとしている男性に、ポイントカードをお持ちですかと尋ねる。当然、お客さまは持っていないと応えます。このやり取りを、すべてのお客さまに行うことで余計な時間がかかりレジが混む。
 
これから先、レジ袋が有料化になれば、「ポイントカードか、当店のポイントアプリをお持ちですか?」、「レジ袋必要ですか?」、「レジ袋は、○○円かかりますが宜しいでしょうか?」、「本日のお支払いは現金、それともカード、それとも電子マネーですか?」電子マネーと応えれば、「○○ペイ、あるいは○○ペイ、あるいは○○ペイですか?」と尋ねる。あげくに「その○○ペイは当店では扱いがございません。誠に申し訳ございません。」と、確認項目が増えるでしょう。
 
問題は、なぜすべてのお客さまに、このようなことを行うのかなのです。パートタイム職員が悪い分けではありません。指示している人間に節操がないからだけです。
 
 
確かに、酒類の販売は売り手に法律上の責任が生じます。したがって、軽々に対応することを薦めているわけではありません。
 
しかし、すべてのお客さまに一律に実施することが適切なのか。判断する幹部がいなくなることは、人間を雇用していること自体を軽視していることに繋がるのです。
 
そして、その軽視が士気低下を生じさせ、巡り巡って売上に影響を与えているのです。
 
臨機応変に行動できる人間という存在を雇用しながら、ロボットのような雇用を行うことに疑問を持たないサービス業企業が異常に増えました。
 
このようなことを申し上げると、本質が分かっていない会社ほど、効率のため、あるいはトラブル防止のためと即答でおっしゃいます。
 
しかし、業務効率が上がって売上が下がる。私には理解できない現象の一つです。
 
そして、なぜ分かっていない会社と言えるのか。それは、侮れない本当の怖さに気づいていないからです。
 
すべてのお客さまに同一の声がけをする。一見すると平等のように見えます。
しかし、よくあるパターンがあります。
 
来店者に対して、「何をお探しですか。」と声を掛ける。途端に、お客さまは去って行く。
 
そこで、セールス能力の低い管理職がいる会社は、お声がけは止めましょうとなってしまう。その結果、売上が益々下がるのです。
 
なぜ、このようになってしまうのか。それは、簡単な理由です。
声をかけて良いお客さまと、声をかけてはいけないお客さまがいることに気づかないのです。
 
これらの実例は、小売業の方向けの講義内容になるかも知れませんが、パートタイム職員に「すべてのお客さまに声がけしてください。」と指示する管理職がいる会社は、これから話す内容は、まず答えられません。
 
お客さまのある部分をみて、声がけのために近寄る適時と、近寄る角度が異なります。
「何が異なるのか、具体的にお答えください。」と尋ねて答えられた人は、一人もおりません。何のことを言っているかすら解らないのです。
 
 
あなたには、深く考えて頂きたいのです。
そのために、本講義はあります。
 
それでは本題に入ります。
 
ほとんどの人が、差別と区別の違いは何となく常識として分かっています。そして、普段から注意はしています。
しかし、いざ何が違うのかと突きつめて尋ねると基準が曖昧になります。
 
この曖昧な基準を明確な基準に変えて頂くのが、本講義の目的です。
 
 

人間は差別されると不愉快になる。
しかし、区別されると嬉しく感じる。
 

 
これが、結論です。
 
問題は、何が差別で、何が区別なのかを見極めることが、瞬時にできるかという点です。 見極めるための準備が前の講義までの内容であったと言っても過言ではありません。
 
そのため、商人道義塾の講義を受講している人は、既に私がお話しする内容が想像がつくかも知れません。そこで、先ず本講義では、何が差別にあたるか。質問しながら、例を出します。
 
下記にある1~10までを、ご覧頂くと判りますが、質問の例は、すべて捉え方によって差別にも区別にもなるものです。
 
どう判断することが適切なのか。その判断基準をもつことが大事です。しかし、識別が非常に難しいケースもあります。
 
ただし、最終的には、区別する際のポイントさえ理解できれば、問題無いでしょう。 
それでは、あなたも一緒に考えながら、以下の質問を答えてみてください。
 
 
1. 母語の違いで識別するのは、差別か区別か、どちらでしょうか。
2. 出身地の違いで識別するのは、差別か区別か、どちらでしょうか。
3. 肌の色、目の色、髪の色で識別するのは、差別か区別か、どちらでしょうか。
4. 体型で識別するのは、差別か区別か、どちらでしょうか。
5. 服装で識別するのは、差別か区別か、どちらでしょうか。
6. 持ち物で識別するのは、差別か区別か、どちらでしょうか。
7. 性別で識別するのは、差別か区別か、どちらでしょうか。
8. 年齢で識別するのは、差別か区別か、どちらでしょうか。
9. 宗教の違いで識別するのは、差別か区別か、どちらでしょうか。
10.主義・信条・価値観の違いで識別するのは、差別か区別か、どちらでしょうか。
 
 
例はたくさんありますが、ここでは10の例を列挙しました。
 
よく見て頂くと、すべて共通する問題があることに気づかれます。
 
先にお話したように、共通する問題とは、1から10までの例は、捉え方や、状況によって差別にも区別にもなるということです。だからこそ、識別するのが難しいのです。
 
 

 
 
それでは、一つ一つ説明していきましょう。
 
 

1. 母語の違いで識別するのは、差別か区別か、どちらでしょうか。

 
言葉の違いで、仲間外れにすれば、誰でも簡単に差別だと分かります。しかし、相手が英語圏の人だと識別して、片言でも英語で手助けしてあげれば、受けた側は嬉しくなるでしょう。これは、区別になります。
 
日本は英語は通じるが、その他の言語は通じないと思っていた人が来日した際、その人の母語で話しかけられれば、親近感を抱いてくれやすくなります。これは、日本人が海外に行っても同様ですので分かりやすいでしょう。
 
私が学生の頃、アルバイトをしていた時の話しです。
 
アルバイト先に、お母さんと5歳ぐらいの男の子が来店しました。
お母さんは、ドイツの方ではないかと雰囲気で感じました。
 
しばらくして、一緒にいた男の子が、私の落とし物を拾ってくれました。
私と言葉が通じないと思ったのでしょう。男の子は黙って、拾った物を渡してくれました。
 
そこで、その男の子に私は、「Danke schön! (どうもありがとう)」と言ったところ、まさかドイツ語で言われると想像していなかったのか、男の子はとても驚き、後ずさりしながら尻もちをついてしまいました。
 
すかさず、「Wie heißen Sie? (あなたの御名前を教えて下さい。)」とあえて敬語で尋ね。そして、「Wo wohnen sie?(あなたは、どちらにお住まいですか。)」と間を空けず再び敬語で尋ねたら、男の子は両手をあげたまま、目をまん丸くして固まっていました。
 
その光景を後ろで見ていたお母さんが、クスクスと笑っていたのを、今でも覚えています。
 
その後、その親子は私に親しみを覚えてくれました。
後日、お父さんと一緒に来店してくれました。お父さんが私がドイツ語をしゃべれると思って話しかけてくれたのですが、今度は私が固まりました。すぐに片言のドイツ語だとバレてしまいました。
 
言葉が通じることよりも、片言で話そうとしてくれたことに親しみやすさを感じてくれたようです。人の思いは通じるのだと思った、懐かしい思い出があります。
 
 
最初の質問ですから、リラックスしていただくことを考え、簡単なものからはじめました。
 
これからは、相手の何をみて区別するのか。
判断基準を考えながら、次の質問に進んでください。
 
 
 
 
 

2. 出身地の違いで識別するのは、差別か区別か、どちらでしょうか。

 
特定の出身地の人とは婚姻が許されないとすれば、これは完全に差別だと言えます。
 
ところが、偶然出会した人と同じ出身地だと分かると故郷の話で盛り上がり、急に親近感が湧き仲良くなる。東京では良くあります。これは、同郷同士という区別を行ったからです。
 
 

3. 肌の色、目の色、髪の色で識別するのは、差別か区別か、どちらでしょうか。

 
肌の色、目の色で識別することは、母語の違いと同様ですので、改めて説明しなくても分かるでしょう。
 
その上で、一つ例を出します。
美容師が、お客さまの髪の色を無視して毛染めはできません。これは簡単な例だと誰でも分かります。
 
ところが、美容室の倒産が増える理由として、カット、カラー、パーマの技術そのものが原因ではなく、お客さまの要望を酌む能力が低い、具体的にはお客さまの髪の毛の質を見極める能力が訓練されていないと分析しています。
 
トリートメント剤、パーマ液剤、お客さまの中には、安く済ませたいと考え、コスト優先の方もいるでしょう。
 
その一方で、自分に何があうのか。素人の自分では分からないことがあると悩んでいるお客さまもおられます。こうしたお客さまは、市販の商品では満足していない人も多いでしょう。
 
それをプロの目でアドバイスされることを望むお客さまも多いはずです。
 
しかし、適切な提案ができているかというと、甚だ疑問に感じています。
無論、美容室に行ったことのある方は、シャンプー剤等の商品を薦められた経験はあるはずです。
 
しかし、本当にお客さまの髪の毛にあったものを薦めているのか、疑わしいケースがあると思います。会社の方針で単純に販促物を薦めているに過ぎない。
だからこそ、その店の信用が高まらず、再来店にも繋がらない。これらが多いことを、倒産の多さが証明しているように思います。
 
この事例も、基本は差別と区別の違いが分からないまま、店頭にいることが原因なのです。
 
では、倒産しない美容室と数年以内に倒産する美容室では、何が違うのか。
 
本講義で、真剣に差別と区別の違いを学び。その上で、この後の哲学編の別講義を受ければ、倒産になる店の共通点が理解いただけると思います。楽しみにしていてください。
 
 

4. 体型で識別するのは、差別か区別か、どちらでしょうか。

 
体型で識別することも、人を傷つける典型的なケースです。
 
例えば、サイズを統一したユニフォームを着れない人は採用しないといった場合は、どうでしょうか。
 
厳密に言えば、実際にはケースバイケースで存在します。ファッションモデル、ビジネスショーのコンパニオンや、プロのチアリーディング等はサイズの指定があるかも知れません。
 
しかし、一般企業内で行えば、完全に差別になることが多いでしょう。
 
 
ここでは商売上、実際にある問題を例にします。
 
接客中にお客さまからの要望でバックヤードから洋服をご用意する際、お客さまのジャストサイズが分からない時があります。
 
そこで、お客さまを観察した後、サイズを迷った場合、ワンサイズ小さいものをお持ちすることが良いのか。ワンサイズ大きいものを持ってくる方が良いのか。どちらが正しいと思いますか。
 
こうしたときに、差別と区別の違いを識別する判断基準が大事になるのです。
 
お客さまの何を酌むことが区別になるのか。それが分かっていないと、お客さまに恥をかかせることになる。そして、良かれと思ったことが、結果的に差別と感じさせてしまうのです。
 
無論、経験でサイズを見極められることに越したことはありません。
 
サイズが分からないときのポイントが、接客術の言葉の遣い方で解決できます。
 
実践編かあるいは業種別の講義で事例をお話しする予定です。
お客さまがワンサイズ大きい洋服を提案しても不快にならないようにする話術があります。
 
しかし、話術というテクニックよりも大事なことは、差別と区別の違いを正しく捉えているかが大事になります。
 
そのため、実践編の前に、本講義を受講して頂くことが重要となるのです。
 
では、どうすれば良いか知りたい人もおられるでしょう。
ここでは簡単にお話します。
 
例えば、下着を含め洋服の場合は、男女問わず、ちょうど良いサイズかを尋ねて、ジャストサイズにこだわり提案することよりも、動きやすさや着やすさに集中し提案すれば良いのです
 
動きにくいものを着れば体型も崩れる。また、シルエットも美しくないと伝えれば、お客さまはサイズに心が留まりにくい。
 
この心理状態であれば、小さいサイズを持ってきても、大きいサイズを持ってきても、簡単に「今日はいいわ。」と終わりにされてしまうことを避けられます。
 
 
こうした配慮ができるのは、お客さまにとっての最善を常に意識しているからこそできることなのです。
 
 

5. 服装で識別するのは、差別か区別か、どちらでしょうか。

 
ブランドの服か否か。あるいは高級な服か否かで応対を変えることがあれば、原則的には差別になります。
 
原則という理由は、一部例外としてドレスコードを、事前に提示する店があるからです。こうした店は、サンダルやGパンでは来店できないことが、国内外問わず実際あります。
 
ところが、平年より暖かい日にも限らず、厚着をしている人に対して、冷え性なのか、あるいは体調不良なのか察したとします。
また黒いネクタイをしている人に道を聞かれ、礼服を着ているからと結婚式場を案内することは無いでしょう。
 
服装で識別することで、相手にとって不愉快にならないことがあれば、それは区別と言えます。
 
 

6. 持ち物で識別するのは、差別か区別か、どちらでしょうか。

 
6番も、5番同様です。ところが、この持ち物についても軽視できないケースがあります。
 
ホテルのベルマンを例にしましょう。
 
お客さまがお越しになり、お荷物をもって差し上げるとします。
この時、左右どちらの荷物を持つことが適切か。
あるいは、どのような荷物を、先に持つことが適切かを説明してくださいと質問すると、分からなくなる人が多いのです。
 
素人的な判断では、重そうな荷物、大きい荷物から先にお預かりしますと、ご提案したくなりますが、これでは、プロにはなれません。
 
 

7. 性別で識別するのは、差別か区別か、どちらでしょうか。

 
男女の違いで採用や昇進が決まるというのは、今の時代は間違いだと思う人が増えました。
 
ビジネスも商売も実戦の世界では、結果がすべてです。結果が出せれば、性別は問わないという考えは、合理的で正しいと言えます。私も、セクシャルマイノリティの方々含め、機会均等を疎外することは、すべきではないと提案しています。
 
その上で、性別で識別することが、TPOで必要になる現実があります。
ところが、この判断が、昨今非常に複雑化しています。
 
ここで、詳しい話をすると、本講義がこれだけで終わってしまいますので、多くを割愛します。ご了承ください。
 
ここでは、実際生じている事例を簡単にお話しすることで留めます。
 
あなたにも、是非考えて頂きたいことがあります。
 
社内で男女平等だからと機械的にルールを決めたとします。そうすると、ルールを決めた人は平等だと思うのです。しかし現実は、女性の方が不利になります。
なぜ、不利になるかを深く考える人が、男女ともに少ないのが、現在です。
 
女性が働き易い企業と評価される会社があります。ところが、業績は下降しているということがあります。これは、女性を積極的に採用し、昇進させたからと見ると、女性が悪いことになってしまいます。
 
しかし真実は、当然女性が悪いのではありません。
 
問題は、「女性が働き易いこと」と、「女性力を効果的に活かしていること」とは、全く別だと証明しているのです。
 
この点を、本気で考える経営者と、人事担当者が現在、日本に少ない。私は懸念しています。
 
最近は脳科学でも分かっているようですが、男女は首から下よりも、脳が違うと分かってきています。弊社インライツでも15年以上前から、弊社独自の精神分析を行い、男女の違いが首から下より、上の方が違うと認識してきました。
 
平たく言えば、脳の作りが違うのではなく、脳の中で情報を処理する仕方が、男女では全く違うのです。
 
この現実を、人事戦略に入れていないから、女性が働き易い企業と評価されながら、業績は下降するという原因を生むのだと考えています。
 
 
私がセミナーで緊張を解すために、商売から離れた話をすることがあります。
 
「離婚回避にむけ、夫婦で話し合いの場を持ったとします。その時、話せば話すほど確実に離婚に近づきますよ。」と話すと、受講者皆様、「えっ!」という顔をされ驚きます。
 
この理由を話します。そうするとセミナー後、私のところに何人もの方が来られ、もっと早く聞いていれば離婚しないで済んだとおっしゃいます。切実な時代になりました。
 
なぜ話せば話すほど、離婚になり易いのか。それは男女では、話し合いの結果に求めるものが、脳内で違うためです。
だから、話せば話すほど相手と価値観が違うとなる。「男女は脳内が違う。」という認識が先にあれば、話し合いの仕方が変わり、結果も変るのです。
 
これは、社内の業務指示の仕方も、男女脳差を考慮してすべきなのですが、行っている所を見たことがありません。
 
本来、コミュニケーション能力とは、相手の感覚を無視してはできないのです。これは、商売の上での重要な心得になります。
 
別の例をお話しますと、女性は約7日周期で体調が変化すると言われます。1ヶ月の内、体調の良いとき、悪い時が4回も起きる。したがって、毎日同じ時間、同じ場所に出社すること自体、女性の方が、男性より大変なのです。ところが、男性には、この感覚が一生分かりません。
 
特に私が問題視している現実があります。
女性は40代ごろから、個人差はありますが、ホルモンバランスの関係で体調が変わります。ところが、重要ポストに就く年齢と重なることが多くなるのです。これも、男性には分からないことの一つです。
 
そのため、人事戦略にも組み込まれない。組み込むと男女平等にならないという誤った認識が続いているのです。
 
無論、重要ポストに女性は不向きと考えることは誤りです。フォローアップする仕組みを作れば良いのです。これは性別による差別ではなく、現実という自然の摂理を踏まえた区別です。
 
 
 

 男女共同参画社会は、次のステージへ進むべき時代
 

 
私のセミナーで、男女の違いを懇切丁寧にレクチャーしますが、男性は女性のことを理解はできても、実感ができないのです。これは、女性にも同じ事が言えます。男性のことを理解はできても、実感ができない。
 
この「理解はできても、実感ができない。」という現実を、深く考える経営者、人事担当幹部が生まれないと、恐らく大企業ほど予期せぬ苦戦がはじまる時代と、以前から予言しています。
 
実は、家庭不和の原因、離婚が増える原因も同様です。
男女では、家庭に求めるものが全く違うのです。そして、この違う現実の恐ろしさに気づいている人が、実は少ない。
 
 
男女脳差を踏まえた人事戦略の必要性を、私は何年も前から話しています。
しかし、なかなか理解されません。ただし、商人道義塾の講義で男女脳差に関することは公開することは、控える予定です。
 
必要性の高さから塾生には話す可能性はありますが、伝達手段を吟味しないといけないとも考えています。その理由は、誤った解釈が一人歩きしてしまうと、益々女性に不利になりかねない懸念があるからです。
 
現在、インターネットのSNS等で生じている炎上(非難・批判が殺到すること)騒ぎは、読解力の欠如が大きな原因の一つと分析しています。
したがって、ナイーブな話題は、インターネット上では配慮が必要と考えています。
勿体ぶり公開しないのではないことご理解ください。
 
 

8. 年齢で識別するのは、差別か区別か、どちらでしょうか。

 
年齢も、実年齢と見た目が違うと言うこともありますし、精神年齢が人により違うと言うこともあります。実際、現場で識別しようとすれば、とても神経を遣います。
 
法律上の問題で実年齢を問う以外は、あまり年齢を意識した接し方をしないというのが、公私問わず多くなる考え方でしょう。
この8番は、差別と区別の識別基準が分かっていないと、トラブルの原因になる典型的なものと言えます。
 
ある会社で実際有った例をお話します。
 
高齢のお客さまに、「荷物をお持ちします。」といって近寄ったら、お客さまから「年寄り扱いするな!」と怒られました。それから、「お年寄りに、荷物をお持ちします。」と言うことを、一切止めましたという方がおりました。
 
あなたは、この判断を正しいと思いますか。無論、間違っています。
 
では、何が間違いなのか、理由を教えることができますか。
 
これは、クレーム応対でも同じ事が言えるのですが、一人のお客さまの苦情が、世の中の総意だと思い込んではいけないと言うことです。
 
この感覚がない管理職が増えています。そのため、たった一度の苦情で、深い考え無く安易にルールを変えてしまう。
 
その結果、関係の無いほとんどの人達が迷惑を被る。よく見られるようになったと思いませんか。
 
確かに、リスクマネジメントの鉄則は、大難は小難の内に、小難は無難の内に対処することです。
 
これを踏まえた上で、お客さま一人の意見が、他の皆様の総意か否かを判断することも、管理職の大事な職務です。
そして、こうした認識が、自社自店に必要か否かを決めるのも、企業理念や、職業倫理といった目に見えない信条です。
 
だからこそ、今あらゆる職業職種に哲学的判断が必要になるのです。感情論を語っているわけではないのです。
 
 

9. 宗教の違いで識別するのは、差別か区別か、どちらでしょうか。

 
これは、当然ながら宗教の違いで応対を変えたり、態度を変えることは差別になるでしょう。誰にでも信仰の自由はあります。また同時に、現代は信仰しない自由も認められています。宗教に属することが良いか悪いかは、一概に言えません。まさに個人の自由です。
 
問題は商売上、宗教の識別が必要になることがあります。雇用する際、就業方法を決める時に必要にもなりますが、お客さまに対して必要になってきました。
 
例えば、食事に使える材料の違いがあります。
ユダヤ教の方々のカシェル(またはコシェル)、イスラム教の方々のハラールがあります。仏教に精進料理があることは、日本では馴染みがあります。
 
順不同で、ここに記したそれぞれの宗教は、宗教上の教えで行なわれることが違います。宗教に属さない方々が、これは食べても安全だからと薦めても全く意味がありません。科学的に安全かどうかが、飲食の判断基準ではないからです。
 
この店には食べられる物がないから来店しないと、お客さま側で判断してくだされば、差別は生まれません。
 
しかし、知らずに入った方々に、いかに対応すべきか。これは、外国からの旅行者が益々増える時代において、全く考えないで良いとは言えません。益々状況が変わるでしょう。
 
このように、何が差別か、区別になるかで商売上の応対は変わります。
 
 
ご興味ある方は、以下Webページを参考にされてはいかがでしょうか。
 
◆参考資料◆
 
出典:国土交通省 観光庁ホームページ 
「多様な食文化・食習慣を有する外国人客への対応マニュアル」
https://www.mlit.go.jp/kankocho/shisaku/sangyou/taiou_manual.html
 
 
 

10.主義・信条・価値観の違いで識別するのは、差別か区別か、どちらでしょうか。

 
10番目は、前の9番とも関連性があります。主義信条価値観の違いで軽々に識別し隔てれば、簡単に差別になります。
 
特に人間は、同じ考えの人に対しては、違う考えの身内よりも親近感が湧きやすいことが多くあります。意識して注意していないと、悪気無く、また無意識に差別する側になることが他人事ではありません。
 
マーケティングの講義でも扱う予定でいますが、主義・信条・価値観の違いを肯定的に受け入れるか。否定的に解釈するかでマーケティングセンスが大きく変わります。
 
これを、私に教えてくれた方が、村田昭治先生です。
マーケティングセンスを養う上での感覚があります。したがって、商売上無関係な話をしている分けではありません。ところが、このマーケティングセンスを養うことがとても難しい。実際の現場で、私は実感しています。
 
その証拠に、ビックデータがあっても、マーケティングセンスがない人には、ただの数字でしかないのです。
ところが、マーケティングセンスがある人にとっては、数字がなくても、予測が立つのです。
 
そこで、日本のマーケティング学の第一人者である村田先生の日頃の生き方が、多くの方々のヒントになると考えています。
 
是非、実践マーケティングの講義を楽しみにしていてください。
 
 
 

以上、10項目の例を出しました。
 
恐らく哲学編の講義を受講された方は、既に気づいたかも知れません。
何をすれば良いのかを。
これを自力で分かる。これこそが、実践実技の世界では必要なことです。
 
あらゆる事は、見方によって差別にも区別にも成り得ます。
そのため、けっして簡単なことではありません。
 
人それぞれ考え方も捉え方も、価値観も違います。そのため、完璧に応対しようと考えても失敗がつきものです。
 
いかに誠心誠意行ったことでも、お客さまに不快な思いをさせてしまうことがある。これを、最初に覚悟するのです。
仮に何度失敗しても、お客さまに不快な思いをさせない努力を止めない。これを、続けるしかありません。
 
 
それでは「人間は差別されると不愉快になる。しかし、区別されると嬉しく感じる。」と最初にお話した結論になります。
 
差別は、何かということを教えようとすると事例が、非常に多くなります。
そこで、何を「区別」すれば良いのかだけ、明確に理解していれば良いのです。
 
 
哲学編の講義で、これまで話してきたように、人間は本能的に自分は無二の存在だと知っています。
 
本能的に自分は無二の存在だと知っている。この感情を酌むこと。これが、「区別」の大事な基準なのです。
 
他の誰でもない。「あなた」を、私は今この瞬間向き合っている。この感覚を相手に通じさせるのです。これが、区別することの心得になります。
 
 
私が、若い頃から意識していることを例にしましょう。
 
親がいかに著名であろうが、その逆であろうが、子供に対しては、子供を独立した存在として接することにしています。
 
親が有力者だからと、子供をたてることも無ければ、親が不祥事を起こしても、その子供も一緒だとは見なさない。これを、意識しています。
この結果、不快に思う人もいれば、喜ぶ人もいます。これも現実です。
 
前の講義でもお話したように、人格は過去にも未来にも、同一人格の人は存在しません。
今、目前にある現世の人格だけが、無二の存在です。その無二の存在をきちっと認めてあげること。これが、大事な区別です。
 

「他の誰でもない、あなたに。」、これが、接客の基本です。

 
お客さまの名前を覚え、呼んで差し上げるのも、こうした意識があるからこそ、お客さまに喜ばれるのです。
 
ところが、意識が無い人が呼ぶとどうなるでしょうか。
 
私が出張で頻繁に飛行機を利用した時のことです。客室乗務員は、私の名前を呼びながら飲み物を出しました。他のお客さまの名前は呼ばず、私だけ名字で呼ぶ。
 
これには、不愉快とは言えないまでも、狭い空間で、誰が乗っているかも分からない中、関係の無い他の人まで聞こえるように名字を呼ばれることは嬉しくはありません。寧ろ、そっとしておいて欲しいと感じました。
 
深く考えず行うことは、悪気がなくても接客とは言わない。プロの世界は、お客さまにして上げた感が、著しく目立っては駄目なのです。
 
 
 
東京都港区にあるレストランのお話です。
 
その店に、私が二人の大事な方々をお連れした時のことです。
お二人がメインディッシュを食べ終え、しばらくして一旦席を立ちました。
 
ソムリエが、足音もなくスーと来られ、お二人の椅子を、左方向へ数センチずらしました。恐らく3センチも動かしていません。そして、スーと厨房へ戻られました。
 
あなたは、何をソムリエがされたか、もうお分かりですか。
 
中座したお二人が戻られて椅子に腰掛けたとき、お二人は椅子に何か変化があったのか、まったく気づきません。
しかし、テーブルに引っ掛かること無く、自然に座れました。
 
座りやすくするためだけに、数センチだけ椅子をずらす。それも、お客さまには気づかれない。
これが、一流の接客なのです。
 
 

二流、三流の接客は、お客さまに感謝される。また、それを期待する。
ところが、一流の接客は、お客さまに気づかれない。

 
気づかれないから「やらない。」と考える人も多いのが現実です。
 
私が、「お客さまに気づかれなくても大丈夫なんですよ。」というと、驚く人も多いです。
 
その理由は、お客さまが意識的に気づかれなくても、良い感覚は、お客さまの潜在意識に必ず残るのです。

(この場合の良い感覚とは、感覚というよりも、厳密にあえて言語化すると、「空間の波長」です。この波長の良さを無意識に体が感じるのです。)

 
だから、あの店に行きたい。あの人に、もう一度会いたいと理屈抜きに思うのです。
 
実は、無意識の記憶に残るか否かが再来店の確立を決めている。
あなたはご存じでしたか?
実践編の講義で改めて行いますので、ここでは先に進みます。
 
 
 
 
 
 
最後に一つ付け加えます。
 
弊社独自の精神分析テストでProsebu-DAT(プロセブダット) というものがあり、既に15年以上実施してきています。
 
その中で、ディービアス型タイプと判定される方がいます。
 
「人が見ていないからやらない。」という心理は、「バレなければやっても大丈夫。」という心根と通じます。
 
 

人にどう見られるかを優先するよりも、
自分はどうあるべきかを優先する生き方の人の方が、正しい成長をする
 

私は、お客さまの背中に、深々と頭が下げられるようになって、一人前だと言っています。
 
お客さまに、気づかれなくても良い。そうなってから、サービス業従事者としてのサービスがはじまるのです。
 
この感覚を得ることが、商人道義塾の接客術です。
 
是非、商人道義塾の講義で、こうした感覚の一つ一つを養ってください。
 
 
 
お客さまが、この世を去る間際、最後にもう一度あの人に会いたい。
そう思われるようになることを、私は自分の目標にしてきました。
 
なぜなら、お客さまが、あの世に逝く直前、もう一度会いたいと思われることが、サービス業従事者にとっての最高だと思っていたからです。
 
既に、この目標は叶えてもらいました。 
 
 
 
あなたは、何を目標にされますか。
 
あなたは、あなたらしく、自分を活かすことが何よりも大事です。
あなたにしかないものを、この世で活かしきる。
それが、あなたが、この世にいる尊さであるのですから。
 
あなたが、この世にいることで、多くの人の幸福量が増えることを願っています。
 
 

これで、講義を終わります。
 
 
 

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