今月のことば一覧
2月のことば
知識を蓄えただけでは、言葉に魂は宿らない。
頭が良いだけの言葉では、人の心に響かない。
※
「コミュニケーション、プロモーション、セールスは、「行為」そのものではなく、自分の思いが買手に通じてこそ意味がある」これが、商売では大事です。
ところが、閉店倒産するところは業種を問わず、この感覚が経営者や担当者に乏しいのです。
売り手が良品だと思っても、陳列しているだけでは、良品だとお客さまが気づかないことの方が多い。
良品だと気づいて頂くための手立てを磨くことが、商人には大事になるのです。
例えば、雑貨店にある品々は、生活必需品とは言えない物が多い。このことに気づかれませんか?
無くても生きられる物を、欲しいと思って頂く。このことを深く考えて実行することが、直接接客、間接接客共に要です。
業種を問わず閉店倒産する人達が知らない真実を、少しだけお話しましょう。
あなたや、あなたの会社が当てはまらないか、一緒に考えてみてください。
夫が、妻を大事と言うのは、夫の自由。
妻が、夫を大事と言うのは、妻の自由。
親が、子を大事と言うのは、親の自由。
社長が、社員を大事と言うのは、社長の自由。
上司が、部下を大事と言うのは、上司の自由。
店が、お客さまを大事と謳うのも店の自由。
思うことは、思う側の自由なのです。
ここで肝心な事は「思っているだけでは、駄目」だということです。
なぜなら、自分の気持ちが相手に伝わって、ものをいう世界に人は生まれてきたのです。
それが、人間の世界の厳しい仕組みであり、現実です。
この覚悟をもって生きていないから、夫婦円満、家庭円満になれず。
また、商売繁盛にもなれないのです。
閉店倒産する人達は、
「己の思いが人に伝わって、はじめて事を成す世界で 店を出すということ」の
厳しさを知らずに開店しているのです。
さぁ、今あなたは 何を感じていますか?
あなたの思いは、あなたの大事な人に伝わっていますか?
あなたの大事な人の思いを、あなたは ちゃんと受け取って生きていますか?
人生の幸不幸を分ける原因は、些細なことから始まるのです。
高学歴で、高度なマーケティング理論や、心理学の知識を有している経営者や経営幹部がおられても、商売が失敗する会社が、国内外問わず いくつもあります。
この原因は、商売は理と情のバランスが必須だということを知らないために、理屈構築だけで満足し、「情の働きを無視して経営戦略を立てる」からなのです。
情の働きの良さや、怖さを学ばないからこそ、お客さまの心にも入れない。且つ、末端従業員の士気も上げられない。
結局のところ商売は、非正規雇用者各位含む 全従業員の士気の高低で、勝敗が決まる世界なのです。
さらに重要なことは、お客さまの多くが、論理的な思考よりも感情的な思考に基づいて商品を買っていくのです。
人を深く学ぶ意識がない人は、この簡単な理屈にさえ気が付かない。
これが閉店倒産する人達の姿なのです。
あなたの周りにもおられませんか?
一流メーカを脱サラし起業し た人が、これは他に無い良い物だから必ず売れると言う人を?
「良い物だから、必ず売れる」と思っている人ほど、失敗しています。
良い物だから売れると単純に語れるほど、商売(セールス)は甘くない。
この現実を知らない人は、商売をけっしてしない方が良い。心から思います。
なぜなら、商売の失敗は想像以上に、惨めで残酷だからです。
1月のことば
良い未来は、夢や願望が作るのではなく、志が創る。
そして、その志に理念理想がなければ、ただの目標となる。
ただの目標で大勢を束ねる力は生まれない。
よって、世を変える力も生じない。
世を変える力をもたぬ者に、天運は授けず。
※
立派な創業者がいる企業でも数十年で滅するのは、目標管理だけしていれば堅実に発展すると錯覚する二代目、三代目の経営者が誕生するからです。
そして、社内規程や制度を整えさえすれば、統治が上手く行くと錯覚します。
確かに、水は方円の器に随うと言われ、人は場の空気や環境の影響を受けつつ動きます。
しかし、水に無く人にあるものがあります。これに気づかないから簡単に足をすくわれているのです。【link:言葉の意味は、goo辞書©参照願】
目標と志の違いが解らない経営者、管理職が多い昨今では、なぜ善良な市民として生きている社員達が不祥事を生むのか。この根本原因も、分からないでしょう。
ここ数年を振り返りますと、
名門大学に不祥事がありました。偏差値の高さに人間の品性は正比例しないことが簡単にわかったはずです。
知識を高めただけでは手に入らないものが人間にはあるのです。
名門企業で働くためには、善良な市民であることが採用条件にもかかわらず、その社員たちでも、矜恃が無ければ不正を生む。
人命にかかわらなければ、産地や性能を偽装しても問題無い。
本来、問題が有るかどうかは、法が決めるよりも先に矜恃が決める。それが、正常です。
仕事を教えるだけの人材教育では事足りないことがある。これが現実です。
痛ましい事故があっても、自らが法令違反していなければ、許されると錯覚する教育者がいる。
これら皆、組織運営の要諦に志を立てないことで生まれているのです。
あなたが経営者、管理職であるなら、この年の初めに鑑みてはいかがでしょうか。
今年は、辰年であります。
「雲は竜に従い 風は虎に従う」
あなたが物事の真理に気づけば、あなたの組織は、この言葉の意味を噛み締めることができるでしょう。
そうなれば、人に恵まれる会社は給与や待遇、福利厚生が良いからなどと、陳腐なことを言う社員は一人もいなくなる。これが、良い会社の証しです。
確かに、給与や待遇、福利厚生が良いことに間違いはありません。
しかし、これらは二の次であり、最優先すべきは別にあります。これに気づいた組織だけが生き残れる時代になります。
12月のことば
己の為だけに生きる者は疲弊するが、誰がために生きる者は疲れを知らず。
これが、人の世の現実である。
サービスの真の姿がみえたとき、人は生まれてきた喜びを知る。
※
言葉とは難しいもので、言葉にしてしまうと意味や文法に誤りがなくても、人の心を傷つけたり、無用な差別の源を作ったりもします。
あるいは、可視化できない真理を、あえて言葉にすることで本質をゆがめたり、本意を狭めてしまう。これにより本末転倒になっているということが、世俗には多くあります。
また、行間を読む能力が低い人がSNSを利用すると、無用な争いを招く。これに気づいてきた方々もおられるでしょう。
そこで、念の為に補足しますが、生来の病気や、現在病中の方は、人を喜ばしていないから虚弱で病に冒されているとは言えません。必ず物事には例外があるからです。例外を見抜く力がない者が、勝手解釈で始祖の言葉のみを鵜呑みにする。これが諸派・教派を生む源となるが世の習い。
以上を踏まえ、今月の言葉の意味を例えるならば、なぜ病弱な宗教家が少ないのかであり、この本意にあります。無論、神仏に加護されているから元気などではありません。神仏に帰依しているだけでは体質は変わりません。人を助けて我が身助かるを実践しているだけ。
人を助けて我が身助かるの本意を理解する。これこそが最も良い接客意識と態度に繋がるのです。
また、勇んで生きている者と、不平不満で生きる者では、心の状態だけではない違いがある。この本意を知れば生き方が変わり、人間関係も好転し続けます。
詳しくは哲学編講義をどうぞ御覧ください。
11月のことば
人間は、自分の存在を認め、必要としてくれる人の影響を最も受け易く、
尚且つ自分を高く評価する組織が、自分の生きる場所だと思い込む本能がある。そしてそこには、善良な組織か否かの判断が入らない。
※
宗教を法律の力で潰しても解決しないものがある。
テロリストを圧倒的な武力で鎮圧しても解決しないものがある。
生きる場が無いと思っている子供らを何度補導しても解決しないものがある。
優秀で賢明な人達は、そろそろ人間の性(さが =innate nature)を学び、事の発端を知るときが来ているのです。恒久平和を創るために。
10月のことば
人望は、非情からは生まれない。
甘やかしてもまた生まれず。
阿諛(あゆ)※2しては尚生まれず。
※
しばしば経営者や指導者は、情に流されるなと言われます。
但し、情に流されることと、非情になるとは意味が異なります。
頭が良いだけでは、大勢を束ねることはできない。この本意を学ぶ人が、いつの世も必要です。
※2 【link:言葉の意味は、goo辞書©参照願】
9月のことば
サー・リチャード・ブランソン(Sir Richard Branson)という御仁を私が敬愛する理由は、「顧客よりも先に社員を大事にしようと考える経営者の方が成功する」この事実を発見されたからです。
なぜ経営者にとって、社員第一、顧客第二、株主第三の順位が必須なのか。
営業成績が著しく良くても、人望がない者が管理職になると、なぜ組織の生産性は落ち、業績悪化が生じるのか。
なぜまったく同じ動作でも、人によって結果が異なるのか。
これらの本意と法則性を学ぶことを、人事管理と呼ぶのです。
予言しましょう。今後、コンピュータや人工知能は益々発達します。こうした中で、顧客、社員の行動や心理を、全て可視化できれば、効率があがり、経営が強くなると思う者が益々出てきます。
これらの方々が組織内に増えれば増えるほど、組織の先行きは脆弱になります。
なぜだか、あなたは分かりますか?
これが分かれば、人事戦略の要諦が分かります。
※
日本国内で、サー・リチャード・ブランソンのグループ企業が上手く行かない会社がある。どうしてかと、疑問に思った人も多いでしょう。
理由は、簡単です。
失敗する会社の経営者や従業員各位が、サー・リチャード・ブランソンという御仁の生き方と、志を学ばずに、ビジネスを始めるからです。これは、恐らく日本国内に限ったことではなく、世界中で言えることかも知れません。
但し、サー・リチャード・ブランソンの著作を読んだ程度では学んだ事にはなりません。サー・リチャード・ブランソンという御仁の素晴らしさや凄さは、文字にできないからです。これが、今回のヒントです。
補足
なぜ経営者にとって、社員第一、顧客第二、株主第三の順位が必須なのかと問われた際、本質的な理由を回答できることが重要なのです。
社員は宝、社員は家族と言っていた社長の会社が倒産する姿を何度か拝見しました。言葉や理屈で理解しているだけでは、実戦向きではない。典型的な例です。
ここでは簡単に結論を話します。詳しく学びたい人は哲学編講義で会得してください。
社員を仮に大事にせず、什器や仕組みといった経営の一部として捉えるとどうなるか。社員の士気が下がります。社員の士気が下がると、やる気が落ちて能動的に仕事をしようとしない。これがパート社員へ感化します。この程度は、誰でも知っています。
しかしながら真に怖いことは、この程度ではありません。遙かに恐ろしいことが生じるのです。
そこで、学びを深めるために、あなたの近所にある大型店等などで、見つけてみてください。
士気が下がると従業員は、いかに笑顔の訓練をしようが、立ち居振る舞いの訓練をしようが、人相が福相になりません。福相になれない人間は、必ず顔や体から陰のエネルギーを撒き散らすようになる。これが、集客低下を招く最大の原因になるのです。これを斥力のエネルギーと呼んでいます。
社員を大事にすれば、大事にされていると思っている社員ほど、自然とお客さまを大事にするようになる。これを、波紋の原理と呼んでいます。
人間も自然の一部、したがって、正しい作用には正しい反応が生じるのです。
但し、社員を大事にすると言っても、この言葉ほど難しい言葉はありません。例えば、福利厚生を充実する。給与アップを行う。これは、社員を大事にしている一部に過ぎません。
だからこそ、真剣に考え実施しないと意味がない。経営者だけが、勝手に大事にしていると思い込んでいるだけで終わる。これが厳しい現実です。
社員を大事にする意味は、二つあります。
一つは、社員の士気を上げるためです。士気の高低が勝敗を左右するのは、歴史を見ても簡単に学べるところです。士気の高い組織の方が、遂行力が高いのは、商売でも同じです。
二つ目の話は通常、大義の有る経営者本人にしか語りません。これは、帝王学のようなものですが、言葉にすると宗教的に聞こえます。このため、誤解が生じないよう、公にはしていません。
しかしながら、勿体ぶっているわけではありません。ここで語らないのも、あなたに対し無礼になるやも知れません。そこで、ここでは平たく申し上げましょう。
社員を大事にするということは、社員は会社の持ち者にあらず、世間様からの預かり者だと自覚することから始め、その上で社員の人格形成向上、生活安定に寄与することです。社員の生活が安定するということは、その家族も安定することになります。多くの人間達の人生の拠り所に会社がなっている。この状況の結果、巡り巡って社運が上がるのです。この社運の高さが、発展の源を作るだけでなく、不景気等々の難局を克服する際に物を言うようになります。
私人も法人も運の良さは偶然ではなく、必然。この本意が実感できると、社員を大事にする本意も自ずと感得できるのです。【link:言葉の意味は、goo辞書©参照願】
最後に、もう少々補足します。一見当たり前に見える法令遵守や、道徳的商売を社員にさせることも、実は社運を上げる秘訣になるのです。
不正や不道徳でも儲かれば良いと考える人も、意念(イネン)の働きは実践でき、確かに一時的な成功はします。
しかし、いずれ襲ってくる想念の働きの怖さを知らないのです。人間が隠し通せるほど甘くない。仮に代が変わっても形をかえ、必ず良くも悪くも芽が出る。
天網恢々疎にして漏らさず。
例えば、神仏のためと集金していても、本当にそうかは、見透かされている。この怖さを自覚できない人が増えたのが、現代かも知れません。
ちょっと話し過ぎました。この辺で、止めましょう。
以上
この話は、誠に残念ながら長く商売ができない会社の経営者には、不思議なほど理解ができないことの一つです。
あなたは、いかがでしょうか?
8月のことば
人間という生き物は、自分の存在理由を知らずに誕生し、入滅する。
だからこそ、無意識に生きる理由を欲しながら生きる。
自分の生きる理由を実感している間は、不安が消える。
自分の存在に喜びを感じている間は、死を選ばない。
あなたは、人に生きる理由を実感させていますか。
あなたは、人にこの世で存在する喜びを与えていますか。
あなたが、この世にいることで、他の人が生まれて良かったと思える。
これが本当の人助けであり、人を活かすと言うことなのです。
補足
人の心の中心にも、スイートスポット※があります。
相手(お客さま)の心のスイートスポットに自分の真心があたるように訓練する。これを本当の接客訓練と言います。
ところが、この意識がないために、教育方法論や所作、言葉遣いだけにこだわる。これが失敗の原因なのです。
これが分かると、言葉丁寧で、礼儀正しく接していても顧客に嫌われる店員がいる理由も分かります。
なぜ私が、あえてスイートスポットと呼んでいるのか。その理由は、正しい個所にあたれば、最も適した正しい反応がある。これと同様に、人の心にも同じ働きがあります。この現象を、私は経験則や当社精神分析の集積から知っているため、スイートスポットと呼ぶのです。
例えば、喜ぶ褒め言葉は、人によって違います。但し、なぜ褒めると人は喜ぶのか。この本意が分かれば、何を刺激すれば人は一様に喜ぶのかが分かります。共通する個所、それがスイートスポットです。
人の心にあるスイートスポットを言い換えれば、生来ある本能的情です。
愛情や人情などは、人為的な教育で育むものではなく、生来の能力です。
したがって、この心の核心部の情の位置さえ正しく掴めていれば、激高しているクレーム顧客であっても怒りを収めてもらいやすくなります。また、士気の低い社員であっても、どのように接すれば士気が上がるか、自ずと分かってきます。
商人道義塾は、これらを管理能力訓練及び接客訓練と呼んでいます。
このスキルが身につくと、私生活での人間関係も劇的に良好になると喜ばれています。
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