今月のことば
サー・リチャード・ブランソン(Sir Richard Branson)という御仁を私が敬愛する理由は、「顧客よりも先に社員を大事にしようと考える経営者の方が成功する」この事実を発見されたからです。
なぜ経営者にとって、社員第一、顧客第二、株主第三の順位が必須なのか。
営業成績が著しく良くても、人望がない者が管理職になると、なぜ組織の生産性は落ち、業績悪化が生じるのか。
なぜまったく同じ動作でも、人によって結果が異なるのか。
これらの本意と法則性を学ぶことを、人事管理と呼ぶのです。
予言しましょう。今後、コンピュータや人工知能は益々発達します。こうした中で、顧客、社員の行動や心理を、全て可視化できれば、効率があがり、経営が強くなると思う者が益々出てきます。
これらの方々が組織内に増えれば増えるほど、組織の先行きは脆弱になります。
なぜだか、あなたは分かりますか?
これが分かれば、人事戦略の要諦が分かります。
※
日本国内で、サー・リチャード・ブランソンのグループ企業が上手く行かない会社がある。どうしてかと、疑問に思った人も多いでしょう。
理由は、簡単です。
失敗する会社の経営者や従業員各位が、サー・リチャード・ブランソンという御仁の生き方と、志を学ばずに、ビジネスを始めるからです。これは、恐らく日本国内に限ったことではなく、世界中で言えることかも知れません。
但し、サー・リチャード・ブランソンの著作を読んだ程度では学んだ事にはなりません。サー・リチャード・ブランソンという御仁の素晴らしさや凄さは、文字にできないからです。これが、今回のヒントです。

小嶋千鶴子 刀自のご逝去の報から一年が経ちました。
小嶋千鶴子 刀自は当塾開校の動機の一つとなられた方です
小嶋千鶴子 刀自御本人は、自分がいかに優れた指導者であり 経営者かこの自覚が真の謙虚さ故にありません このため表に出ることが少ない御方です
しかしながら 商人及びサービス業従事者各位が 商売の永続的な発展を求めるならば小嶋千鶴子 刀自こそ 理想とすべき御仁であることは 永遠に変わらないでしょう
一人でも多くの人が この真実にふれて頂きたいと願っております
新型コロナウイルスが終息するなかで サービス業の経営スタイルは 大きく二つの考え方に分かれるようになります
一つは 人工知能やロボットを使い 人件費を削減し効率的な経営を目指す者
一方は 「いつの世も 人を真に癒やすものは 人間の真心と温もり」この代え難い本能を利用(厳密には拝借)し経営しようとする者
いずれが正しいとは 安易に言えません
但し 前者は絶えず経済状況に左右され 栄枯盛衰の浮世を彷徨う
後者は 荒波の中でも同じ場所に留まり 沈むことの無い浮きの如く生きられる
どちらを選ぶかは あなたの自由です
一つ言えることは コロナ禍の長期化で分断されたものの反動が必ず起きます
その際 人の温もり 人情 忠恕 誠意 扶助 これらの良さを改めて実感する機会が世界中で増えます
人間として この世に存在し 良かったと思える瞬間とは いかなる時か
これが分かっている者だけが提供できる本物の接客 サービスがあります
それを提供できる処が求められる時代が来ます
サービス業は 自分の心と命を赤の他人のために使う仕事です
しかし 人間もまた循環する自然の一部 使っただけでは終わらないのです
与えをだせば 必ず見返りが生まれます 成しただけ務めた分は 必ず自信や生き甲斐の元として返ってきます
それがサービス業という仕事です
他人のために なぜ身を削るのか この本意を知ること それが
小嶋千鶴子という御仁の面影を この世に残すことになる 私は一年が経った今 改めて感じております
商売は、辛い時にこそ、自分の心に真正直になる。
そして、なぜ今の商売をはじめたかを顧みるのです。初心にあった清らかな志が、有事の際に問われます。
商売は、有事の時にこそ、誠心誠意、嘘偽り無くお客さまに尽くす。
その姿を、お客さまは無意識に記憶しているのです。
この無意識の記憶が、絶大な信用を生む。この信用が、店の寿命を決めているのです。
これらは、商売繁盛の先達から学ぶ商売の心得の一つです。
人間は、追い詰められて、はじめて自分の本性が出る生き物です。
本性が出たとき、自分さえ良ければと利己的になる者、自分だけ良いだけでは駄目だと、利他的になれる者、二つに分かれます。
商売は、「困難なときにこそ、売り手の都合より、買い手の都合に合わせる」。追い詰められた状況で、利他的になる。これが、知る人ぞ知る商売のコツなのです。
困難な状況の中で、利他的になれる者の方が、困難を克服した後、生き長らえる確率が遥かに高い。これは、理想論ではなく、成功した先達から学べる事実です。
辛い時にこそ、自分の本性がみられるチャンスだと思う。
平穏無事の中で、自分の本性をみることは、求道者も修行者も非常に困難なのです。だからこその荒行であります。体を痛めつけること自体に、意味はないのです。
人間は、人生のなかで何度か困難に出会うことがありますが、困難を後から振り返れば、幸いなことが多い。
当時は辛くとも、けっして困難や苦しみは、無駄なことはない。それがこの世の現実です。
そして何より、この世に在るものは全て、耐え忍んだものの方が強くなれる。これも自然の摂理です。
辛い時にこそ、あえて、そうあえて「その辛さ」を楽しむ。楽しめるわけがないだろうと思う状況だからこそ、あえて楽しむ覚悟を持つ。
これもまた、生を楽しむということではないでしょうか。もし人間に生身がなければ、辛さなど、この世に無いのですから。
私の周りの外食業オーナーは、「こんなに大変な時期にお客さまが来てくれる。ありがたい。本当にありがたい」と、感謝の念を会話の最後に付け加える人が、ここ一年で増えました。
これも困難だからこそ、大事な商売の極意を自然と気づけるのです。
今の時代、「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」を、なぜお客さまに言うのか。この本意を知らない人が増えています。
ほとんどの人達が、お客さまが買ってくれるから、その感謝で言う言葉だと、誤解しているのです。
「いらっしゃいませ」『ありがとうございました」の感謝の言葉を言う本意は、買ってくれたから言うのではなく、多くの店がある世の中で、自分の店を選んでくれたことへの感謝の言葉なのです。
したがって、買ってくれないお客さまへの感謝でもあるのです。冷やかしのお客さまへも感謝ができる。これこそが、商売の寿命を決める源となるのです。
今、観光業、外食業は、未曽有の危機的な状況に置かれています。
しかし、商売の最も大事な基本である、来店客への感謝の念に気づくチャンスになっています。
お客さまが他店ではなく、自店にお越しになるから、自らの生活もできる。
「自分の店に、お客さまがお越しになる」ということの喜びを骨身に沁みて感じることができれば、必ずその思いは、自然と自らの雰囲気となって体を覆うのです。この感謝の念を有した人の雰囲気は、来店客の無意識へも通じます。
このお客さまの無意識の記憶が、再来店や再購入の動機づけになっているのです。
商売の基本の一つは、他者への感謝からはじまるのです。
そして肝心なことは、人を言葉でもてなすよりも、経営者はじめ、全店員の体から「感謝の念」がエネルギーとして発散していることを優先することです。この方が商売繁盛への近道だということです。
今話していることは、きれい事でも気休めでもありません。
事例を挙げましょう。
GMSや百貨店が新型コロナウイルスの流行前から売上に苦戦しているのは、「お客さまへの感謝の念を、店員各位に体現させる」という営業戦略が無いからです。
商売は、来店客への感謝を忘れ、上手く行くことはありません。
問題は、パートタイム職員が80%を超える店が多い中で、パートタイム職員に「お客さまへの感謝の念を体現させる営業戦略※1参照」を、いかに創るかです。
苦戦中のGMSや百貨店は、経営層だけでなく、接客指導教官みな、この点に気付いていない。それが、店舗売上の数字に表れているだけなのです。
まさに気付いていないというのが、表現としては適しています。なぜなら、経営層の方々も、指導教官も現場にいたころは、皆できていたのです。だからこそ、出世もしているのですから。
実技の世界は、できる人にはいとも簡単なことが、できない人にとっては至難の業という現実があるのです。
できる人と、できない人、この差の原因を分析して、戦略を立てていないから、今のようになってしまうだけなのです。陳列している商品が悪い訳では無い。メーカーにとっては、非常に切ない現実です。
あなたの商売が、現在大変であれば、今一度、自分の気持ちに真正直になり、捨て身の覚悟で利他的になることです。ここから得た経験で、必ず「商売の真実」を見つけられるようになります。
見つけられれば、一生の宝になります。
大事な事は、「真実」は他人から学ぶ事ではなく、自ら発見しなければ身にならないということです。
10年も経てば、新型コロナウイルスは、今とはまったく異なるイメージになるだろうと予測しています。
今は危機的な状況であっても、正直に、本物の接客をしていれば、必ずお客さまは、近いうちに戻ってこられます。
なぜなら、人間を苦しめるのも人間なら、癒すのも人間だからです。
人の温もりに勝るものを創ることは、人間にはできません。
人恋しいという感覚が本能にある以上、必ず本物の人のところに、人は戻ってこられます。
今、人も店も会社も、本物が選別されていると思うことが、大事です。
平穏無事の中で、精神的な成長をせずに、この世を去るよりも、困難を経験し、人間としての深みを得てから去る方が良い。そして何より、有事の時に受けた恩は心の奥底に沁みる。永遠に忘れない絆を生む。人の恩を感じながら逝く方が尊い。
これこそ「生身の肉体をもった人として、生まれてきた甲斐があった」ということではないでしょうか。
ようやく逝ってくれたとホッとされる人生より、もう一度だけで良いから会いたいと泣かれる人生で終わる方が尊い。子供の頃から骨を拾う度に、私は思うのです。
あなたの人生は、まだまだ続きます。益々良い人生になります。
必ずやそうなるように心より祈願致します。
※1 お客さまへの感謝の念を体現させる営業戦略とは、何か。
戦略という言葉を使う理由があります。補足説明を致しましょう。
センスの無い店長や管理職は、「お客さまへの感謝を忘れず仕事をしてください」と、業務命令であったり、懇願という形で店員各位に促すでしょう。
しかし現実は、はじめてアルバイトに来る学生でも、30代、40代のベテランパートタイム職員の方々でも、全員が何も習わずともお客さまへの感謝は大事、お客さまあっての商売だと既に知っているのです。
問題は、知っているにもかかわらず、行動にでない。この原因です。この原因を踏まえずに、精神論だけで大勢を動かそうとするから、失敗を生むのです。したがって理解ではなく、行動を基準に店員各位を動かすには、指示する側に智恵が必要になる。だから戦略とあえて言っているのです。
さらに詳しいお話しを、ご覧になりたい方は、特別講演ページへどうぞ>>>>>

商人道義塾 創設趣意
プロローグ
1,なぜ、義塾(Gijuku)なのか?※1
2,なぜ、サービス業というのか?
3,なぜ今、商人教育が必要なのか?
4,ビジネスマン教育と商人教育は、何が違うのか?
ビジネスマン教育を軽視したり否定する訳ではありませんが、偏った人材教育を続けた結果、大企業は、その副作用に苦しんでいます。
一方、中小の店舗では、失敗する人の共通点を学ぶ機会がありません。このため、自己流で商売を始め、開店する危険な人達が増えています。
これらの理由から、一つ一つお話して参りましょう。
※1
“Gijuku” means a private school that nurtures human resources who serve the public interest.
Lecture Contents
全サービス業共通入門②
実践ノウハウ編 講義
商売やサービス業には全業種共通で、「言葉遣い」「立ち居振舞い」の訓練よりも、遥かに大事なものがあります。当社セミナー受講者から初耳だと驚かれいる内容や喜ばれている秘術を公開します。
実践マーケティング
マーケティング 入門編
当塾で扱うマーケティング理論は、大学や大学院で学ぶマーケティング理論とは異なります。商売の実践で役に立つためのマーケティングセンスとは何か。出店前にマーケティング調査会社に事前調査を依頼し、なぜ閉店倒産になるのか。なぜPOSデータを分析しながら、販売数予測が失敗するのか。これらの理由を学びます。
教育者・経営者・管理職用
指導者育成 要諦編
教育者用講義では、指導力を上げるポイントを伝授します。なぜ人間は成長速度が異なるのか。なぜ理解させるだけではいけないのか。事例をもとに講義します。
管理職用講義では、管理職の適性、採用基準、教育制度のあり方等々、事例をもとに講義します。サービス業におけるガバナンスで最も重要な点を感覚的に体得し、今まで見えていた風景に変化が生じるように講義します。
公開時期は、改めて告知致します。
当Webサイトは、すべて原則 無料 で閲覧利用できますが、使用条件を同意された方のみ閲覧が可能になります。
同意されない方は、すみやかに他サイトヘ移動してください。
尚、閲覧を続けられる場合は、使用条件に同意されたものと致します。予めご了承下さい。
【本Webサイト閲覧上のヒント】
重要な点は、複数の箇所で、あえて繰り返し出てきます。
繰り返す理由は、脳が忘却することを計算に入れているからです。そしてまたGoogle検索等の後、本Webページを、どちらから閲覧されるかが分からないことを踏まえています。これらにより、受講者各位の利便性向上のため、何度も同じ話や事例を、あえて語ることがあります。予めご了承を頂きつつ、また同じ話かと、くれぐれも軽視せずに御覧ください。
本Webサイトが公私双方で、あなたのお役に立てることを願っております。
サービス業も実践実技の世界、
「わかる」と「できる」は違う。
当塾は、答えを教えるところではありません。実践の場で応用が利くように、あなたに覚醒のチャンスを与えることを目的にする塾です。
サービス業は、実践実技の世界です。高度な理屈や知識を知っていても、知っているだけでは、何の役にも立ちません。その厳しい現実を理解しながら、実践で役に立つセンスを高めて下さい。
当塾は、理解することを目的に致しません。感覚を得ることに重点をおいています。