TOP | 実践マーケティング | 【無料公開講義】マーケティングとは、何か?理論とセンスの違い

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実践マーケティング講義

MARKETING SENSE

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 【無料公開講義】マーケティングとは、何か?理論とセンスの違い

 
 

 
 
 
 
あなたは、マーケティングという言葉を聞いて、何を想像しますか。
 
マーケティングという言葉を辞書で引くと大辞泉には、「顧客ニーズを的確につかんで製品計画を立て、最も有利な販売経路を選ぶとともに、販売促進努力により、需要の増加と新たな市場開発を図る企業の諸活動。」と書いてあります。
 
岩波国語辞典には、「商品が大量かつ効率的に売れるように、市場調査・製造・輸送・保管・販売・宣伝などの全過程にわたって行う企業活動の総称。」と書いてあります。
 
辞書に書いてあることは、言葉の意味としては間違いなく正解です。
ただし、言葉の意味が分かったとして、今日、何をやるか。あなたは、即答できますか?
 
 
マーケティング理論を学んだ人なら知っているかも知れません。必ず出て来る名前が、エドモンド・ジェローム・マッカーシーが提唱したマーケティング4Pではないでしょうか。【link:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)参照』】
 
4Pとは、商品戦略のProduct、流通戦略あるいは販売戦略のPlace、価格戦略のPrice、販売を促進するために活動のPromotion。これら四つの頭文字を表しています。
 
ノースウェスタン大学ケロッグスクールフィリップ・コトラー教授の理論を学んでいる人もいるでしょう。【link:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)参照』】
 
本講義では、このような難しい話は、一切しません。
 
では、本講義のいう実践マーケティングとは何か。
ひとえに、実践で使えるものです。
 
弊社が実践で培ったノウハウや、弊社が実施するマーケティング分析、そして私が今までセミナーでしてきた話を致します。
 
その前に、紹介したい大人物がおられます。
日本のマーケティング学 第一人者 村田昭治先生です。
 
紹介したい理由は、マーケティング理論の書かれた本を何冊も読むより、村田先生の人柄や生き方を知ることの方が、マーケティングという言葉の本質に間違いなく近づけると考えるからです。
 
日本のマーケティング学の第一人者といわれる人が、普段している何気ないこと。
これを知ることで、「マーケティングセンスとなる下地」とは何かを分かりやすく教えてくれます。
 
恐らく多くの人は、マーケティング理論の本を何冊読んでも、実践的なマーケティングセンスは、なかなか掴めないでしょう。
その理由は、書籍の情報が悪いのではありません。マーケティング理論を習得することと、マーケティングセンスを掴むことは全く違う。この点に、気づかないからなのです。
 
これに気づいている人なら、マーケティングの本を何冊も読むべきと思います。
 
 
理論を習得し、実践する前に、意識しなければならない感覚というものが、マーケティングにはあるのです。
 
例えば、プロサッカー選手をみてください。ボールを蹴るのが上手い。ボールを操るのが上手い。しかし、体力がない。それでは、いかに技術が高くても、試合で活躍はできません。
これは、誰でも想像ができると思います。
どのスポーツにも、基礎体力や、筋力等の基礎能力が必要になります。優秀なサッカー選手は、「ボールを持たないトレーニング」を欠かさないはずです。
 
実は、マーケティングにも同じような事があります。
マーケティング理論を熟知したとしても、実践で役に立たないことがあるのです。なぜなら、マーケティング理論を活かす為には、下地となる感覚が必要になるのです。
 
サッカー選手で例えると、下地とは持久力や筋力のような基礎体力です。
 
ところが、学術的アプローチを優先しているために、マーケティングも下地が必要という感覚に気づいていない人が多いのです。
 
その証拠に、マーケティングの調査をみていると、私が言う物体観察しかしていないのです。
 
日本のマーケティング学 第一人者の村田先生の人柄や生き方を知るだけで、マーケティング理論の下地となるセンスがいかなるものかが、誰でも必ず分かります。
それを伝えることが、本講義から続く各講義の目的になります。
 
 
私は、村田先生に「マーケティングとは、何ですか」と尋ねたことはありません。
なぜなら、プロ野球選手に「ベースボールとは何ですか」と尋ねれば、ややもすると相手を小馬鹿にしたように聞こえます。
 
同様に、村田先生に「マーケティングとは何か」と尋ねることは、大変無礼で有り、失敬だと思うため尋ねたことはありません。
 
その上で、もし村田先生が「マーケティングとは何か」の問いに答えたら、何とおっしゃるだろうかと想像します。
 
恐らく村田先生は、このように言うでしょう。
 
 

「マーケティングとは、この世界を幸せにするための行為である。そして、生産物やサービスから生まれた幸福を共有し合うこと」

 
とおっしゃると、私は感じています。
 
あるいは、奇知にとんだオシャレな話をされるので、話す相手が若い学生なら、
 
 

「マーケティングとは、愛情表現だよ。君たち!」 

 
というかも知れません。
この場合の愛はLoveではなく、Affectionの方です。
 
 
Affectionの前部のAffectは、影響を与える、作用するという動詞になります。独占的な愛でも、一方的な愛でもなく、相手(対象)に良い影響が生じること。それがマーケティング上の愛情です。
 
 

したがって、「この世に良い影響が生じなければ、マーケティングとは言わない。」ということです。

 
 
私が駆け出しのコンサルタントだった頃は、マーケティングという言葉はあえて使わず、アフェクションサイクル(affectioncycle)という造語で話していました。
 
村田先生の偉大さを知っているため、安易に私のような者が、マーケティングという言葉を使うと無礼になると感じ、躊躇した方が良いと思っていたからです。
 
他人の人生に、そしてこの世界に、良い影響を与える為にする行為こそが、マーケティングという言葉の本意になります。そして、大事なところは、幸福を共有するという感覚なのです。
 
日本的な言い方をすれば、マーケティングとは、三方良しであります。三方良しとは、売り手良し、買い手良し、世間良しということです。
 
必ず軽視していけない大事なことは、一部の人だけが良い思いをするような状態では、駄目だということです。
 
問題は、なぜ駄目なのか。そして、なぜこれが大事か。この意味を自覚する感覚こそマーケティングセンスの下地になるのです。
これは、単なるきれい事を言っているのではないことを、最初に肝に銘じて欲しいと願っています。
 
それでは、改めてマーケティングという言葉を、弊社の感覚と、私の言葉で一つ一つ整理してお話しましょう。
 

 

 マーケティングの行為

 
 
マーケティングの行為は、以下になります。
 
1. 趣意
2. 発明(=開発)
3. 未来予想図
4. 価格設定
5. 効率的生産(現代風に言えば、サステナブル・デベロップメントを含みます。)
6. 広告宣伝
7. 流通
8. 販売(手法・地域)
9. 利潤
10. 管理又は改善
11. 価値共有
12. 工夫
13. 革新又は進展
 
上記の順番は職種や商材によっても順序が入れ替わります。
おおよその順番です。暗記などは、必要ありません。
 
 
それでは、一つ一つ補足しましょう。
 

1.趣意とは、発想する上での目的です。

 
ニーズとウォンツの開発ということなのですが、簡単にいえば、何を解決すれば、人は楽になるのか。生活上の便利になるのか。あるいは、何をすれば人は喜ぶのか。人生が豊かになるのかという視点で、悩みはじめることです。悩み方が利他的であればあるほど、ふとひらめく。それが次の発明です。
 
ここでの注意は、楽、便利、喜び、豊かさというキーワードがない。あるいは、世のため人のためと考えず、自社自店の利益から考える人は、最初の一歩目で既につまずいているのです。アイデアがでない人ほど、利己的であることが実に多い。それが現実です。
 
 

2.発明(=開発)に関して、あえて説明の必要はないかも知れません。

 
ここで1から13の全項目の補足になる、一つ大事な点をお話します。
 
世のため人のためと考える事が嫌いな発明家は歴史上いません。
したがって、裏を返すと、世のため人のためと考える事が良いアイデアを出す唯一のコツだということです。この真理に気づけば、アイデアは事欠かない。
これが、私が業種関係無くコンサルティングを引き受けられた理由でもあります。
 
 

3.未来予想図とは、英語で言うヴィジョンのことです。

 
ところが失敗する人は、ドリームをみるのです。日本語で夢は、ヴィジョンもドリームも同じになるので、あえて英語で言いました。
 
夢を実現する人は、ドリームとヴィジョンの違いを意識的、あるいは無意識的に分けて思考している人達なのです。
 
この製品、このサービスは、誰が喜ぶものか。誰が幸せになるものかを、製品化する前に、必ず具体的なイメージにする。具体的であればあるほど、成功する確率が高まります。
 
 

4.価格設定は、文字通り製品の価格を決めることです。

 
価格設定の難しい点は、コストベース・プライシングで決めるか。あるいは、ターゲット・プライシングで決めるか。これが誰しもが迷うところではないでしょうか。私も、毎回苦労しています。
 
コストベース・プライシングとは、簡単に言い換えれば、全ての経費を一つ一つ積み上げし、それに利益をのせて価格を決めることです。
 
例えば、一杯のラーメンの値段を決めるとき、材料費、光熱費、人件費等の経費が600円かかるとしたら、400円を利益にして、この店ではラーメン一杯1000円で売ろうと決める方法です。
 
この方法は、利益を確保でき売り手側としては安全な様に見えますが、価格競争ではふりになることが多くなります。これを無視できません。
自社より安価の類似商品が出たとき、直ぐに厳しくなります。
 
また、積み上げ方式で経費を算出する場合、時間や面積から割る不動産費の計上や、1時間あたり提供できるラーメンの数を見過ごす可能性があります。これが赤字店の典型的なミスです。
 
自店の総コスト(支払金)が、月間いくらになるのか。先に把握していないと失敗する原因になります。
 
一方、ターゲット・プライシングとは、簡単に言えば、予測される市場規模(どのくらいの数が売れるのか)を考えつつ、一般的な人達が抱く値頃感(お得感)から価格を決める方法です。
決めた価格に合わせ、経費を抑えて利益を出す価格の付け方になります。
 
例えば、先に一杯800円でラーメンを売ると決めます。800円で利益がでるように、仕入れた材料費を下げ、無駄な光熱費は出さない。スタッフの人数を最小限にして利益を確保しようと考えるやり方です。
 
商売感覚としては、ターゲット・プライシングの方が合っています。
しかし、これも本には、ほとんど書かれていない、無視できないデメリットがあります。
 
それは、価格が先に決まると言うことは、同時に儲けの利益も事実上、先に決まっています。
そのため、仕入れ値を安くしなければ、自社自店の利益が出ません。
 
そこで、業者叩きがおきます。商人が、材料を安く仕入れ、適正価格で販売することは正しいことです。
しかし問題は、自分達の利益を優先し、不条理に業者を叩くと、どうなるかを知っている人が少ないのです。
 
商売が失敗する人の多くは、自社自店の利益優先で、他者を叩く人が多いのです。
不思議なことに、商売のセンスが無い人ほど、共通して、業者を叩きすぎるのです。
 
この世界は、他者にも人生があり、日々生きているのです。それを無視するような不徳を積めば、巡り巡って自社自店に返ってくる。これは、現場経験がないと、一生気がつかない現実です。
 
三方良しでなければ、やる意味がないというのは、この厳しい現実を見聞きしているからなのです。
 
業者に値段交渉し少しでも仕入れを安くする行為は、正しいです。
しかし、業者を叩きすぎない価格で折り合うという自覚も、商人として大事な嗜みの一つになるのです。
 
良い事例をお話しましょう。
業者さんと呼んだり、業者の方々と丁寧に呼ぶ人は、多くいます。私の周りにもおられます。
その中で、人前で話すときに、業者に様をつけ、業者様と呼ぶ人がいます。
 
その人は、地方の小さな町のお店から、年商二兆円を超えるまでの小売業にしました。
それが、ジャスコの創業者 岡田卓也氏という御仁です。
 
岡田卓也氏という方も、安く仕入れることに執念を燃やすことは、他の商人と同じです。
しかし、心根が違う。業者の息の根を止めるような交渉はしない。三方良しを忘れないからです。
 
この感覚を分からず、形だけ真似して業者を叩くようなことをすれば、たとえ日本一の会社でも巡り巡って必ず自社が大変になっていくのです。これは、科学的に証明できない現象かも知れません。しかし、実際に起きうることなのです。
 
また長い間、現場にいた経験のある人は、既に気づいているのではないでしょうか。
業者に態度の悪い担当者は、出世もし難い。仮に、社内営業が上手で出世したとしても部下の人望は低い。その結果、間接的に自社の業績を悪化させていく原因になる。多くの人を観察して私が現場で学んだことです。
 
岡田卓也氏という御仁のような成功者が行っている行為と同じでも、心根が違うと結果が変わる。これが、商売の現実であります。
 
だからこそ、表面的な理念や信条では実践で、何一つ役に立たないのです。
人の心根は、みようとする人にしか見えないものなのです。ただし、心根をみようと思っても、自分に同じものがないと、一生見えない。それもまた、厳しい人の世の現実です。
 
 

5.生産とは、商材を作ることです。改めて説明はいらないと思います。

 
一つ補足すれば、生産過程において、最も生産能力が低いものや、低い箇所を必ず特定する。それを自覚しながら生産計画を立てないと、計画の遅れは簡単に生まれると話しています。これが、有名なエリヤフ・ゴールドラット博士の制約条件の理論です。【link:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)参照』】
 
ここでのポイントは、機械作業だけなら、工数や時間の計算は、比較的容易です。機械の処理能力から時間を計算できるからです。
 
しかし、プログラム開発等、人海戦術のような働きが必要な場合は、生産性の管理が難しいです。
 
この場合、管理職が常日頃から個人の作業効率を観察していないといけません。意外と怠っている管理職が多いのです。
 
余談になりますが、自分の業務だけで頭がいっぱいになっている管理職が多い会社は、非常に注意が必要だと、弊社独自の精神分析でも、日々感じていることです。
 
戦略戦術を考えるべき管理職が、重要性の低い外出が多い会社。
 
自分の業務で精神状態がいっぱいになっている管理職が多い会社。
 
このような会社は、末端の社員の無駄な動きが増える。
あるいは利益に繋がらない、仕事のための仕事も多い。
その結果、社員の士気が低くなり、生産性が落ちている。弊社の分析で、良く目にすることです。
 
あなたの会社は、大丈夫でしょうか。
 
 

6.広告宣伝とは、これも文字通り広告と宣伝です。

 
非常に重要なことのため、この後の講義で、改めて詳しいお話はします。私は、村田先生から広告宣伝で、最も重要で軽視できない大事なことを学んでいます。それを、後の講義で、あなたにお分けします。
 
 

7.流通は、説明はいらないでしょう。

 
補足の話をしますと、今や流通はITを含めた、技術的な話をしなければなりません。ここでは、長くなるので割愛します。割愛しても、困る人は少ないと感じます。御容赦ください。
 
 

8.販売(方法・地域)も文字通り、商材を売ることです。

 
ただし言葉は簡単でも、1~13ある項目の中で、最も難易度が高いのは、この販売です。
 
脱サラして失敗する人達は、共通してこの販売を、意識的、無意識的問わず軽視していることが、ほとんどです。
 
これらの失敗する人達の口癖があります。この商品は良いから売れる。他社に無いから売れる。美味しいから売れる。不思議なぐらいジャンルが違っても同じことを言います。
 
物が良いか悪いか。味が美味しいか不味いかは、試してみて分かることです。
したがって、買ってもらった後に分かることです。
難しいのは買ってもらう迄なのです。失敗する人は、これが分からない。だから失敗するのです。
 
ビジネスも商売も、セールスの能力が、全てを決めるといって過言ではありません。
 
非常に怖いことは、粗悪品でもセールス能力が高いと売れてしまうことがあるのです。
だからこそ、全てを決めるといって過言ではないのです。
 
そして、さらに怖いことは、いかに他社に無い優れた商材であろうが、他店にない良品であろうが、セールスの能力が低いと閉店倒産に向かいます。
 
したがって、営業力がない人は、技術や腕に自信があっても、絶対に独立してはいけません。
 
これは、ドクターや弁護士という高度な専門職でも同様です。集客ができない人は、組織の中にいる方が、惨めな思いをせず安全です。
 
独立するということは、言い換えれば、世間の風を生身で受けるということです。相当な覚悟が必要になります。
 
 

9.利潤とは、利益を確保し、またそれを生み出し続けることになります。

 
これも大事なことがあります。利益が適正かどうか。絶えず、売れている間でも自問自答を続けることです。
 
利益率が良いことにこしたことはない。誰もが、そう思います。
しかし、これも実践経験がないと気づかないことがあります。自らの働きよりも、利益が多いと、心根が腐る確率が非常に高まる。それが、人間の弱さであります。
 
これが、いかに怖いことか。なぜなら、心根が腐っても、体が腐るわけではありません。そのため、自ら実感しにくい。それが人間の性だからです。
 
 

10.管理又は改善は、これも文字通りですから説明はいらないかも知れません。


しかし、せっかく講義を受けておられるので補足します。
 
この場合の管理は人、物、金、情報、時間というものを想像する人も多いと思います。間違いではありませんが、私が、現場で見落とされていると感じることがあります。
 
その一つ目は、人の感情です。
 
働く人の不平不満の原因と、組織の中で生じている不満の割合を無視したり、分析しない組織が多い。ところが、全ては人の心からはじまります。
 
本来、人の心ほど自由なものはありません。暴力や精神的な圧力で強制することも歴史上ありました。しかし、完全に人心をコントロールできたことはありません。なぜなら、人は建て前と本音を使い分けられるからです。そして、本音は必ずしも外見に現れず、隠せるからです。
 
したがって、厳密には人の心は管理はできません。ただし、管理はできなくても、観察して動向を把握しようとする意識は必要です。これが、経営管理上、最も難しい領域であり、経営管理の要です。
 
これを怠ると、「改善」はできません。なぜなら、改善する際の人心の状態というものがあります。それは、士気が高くなければならないことです。
 
悲観的な人、士気の低い人というのは、新しい事を考えることに向いていない。あるいは考える事すらできない心の状態です。
 
昨今、イノベーションという言葉を使う人が多いですが、イノベーション(=発展の為の技術革新)とは、普段の士気が高いからこそ、やろうと思うのです。
 
事例をお話しましょう。
仕事中の良い改善案や問題解決案は、考えることができる従業員から生まれます。
しかし、その人達は共通して業務に対する士気が高い。だから、考えることができるのです。
 
そのため、良いアイデアを出してくださいと指示するよりも先に、従業員各位の士気の高低を考慮することが必須になるのです。成果がでない管理職は、この点に気づきません。
 
小売業でも、外食業でも、宿泊業でも、顧客に直接応対する業種では、店にいる最前線の人達が、考えて仕事をしなくなると、必ず経営が悪化しはじめます。
 
これも、現場経験がない人には分からない事かも知れません。
しかし、知っている人達は、この怖さを見聞きしているのです。
 
そのために、従業員を教育し、自主的に考えて働く人を増やそうとするのです。
 
ところが、社員教育の真の目的を間違いてしまうと、本質からずれて、形だけになってしまうのです。
特に、男女脳差を考慮せず、社員研修を行っている企業は、研修や検定では良い成績をとる人達が、店舗で、なぜ実行しないのか。その理由に気づかないのです。現在、多くの企業でみられる現象です。
 
 
 
もう一つ別の事例をお話しましょう。
 
創業理念を毎日唱和する会社があります。唱和する意味は、毎日行うことで潜在意識に覚えさせる。その結果、いつ何時でも創業理念通りに行動できるようにする。これが創業者の思いです。
 
ところが、唱和する本来の意味を教えないと、唱えるだけで人の脳はやっていることになってしまうのです。これが形骸化の原因です。
 
人間は、ただやっているだけでは潜在意識の働きを変えることはできません。
強い感情が同時に伴わないと潜在意識に入りにくい。このことを、多くの人が知りません。
 
また、強い感情が伴わない場合は、自我が一瞬でも抑制された状態にしないと潜在意識に入りません。
 
怖いのは一旦形骸化してしまうと、脳は右から左に情報や音を流すだけです。
これが、毎朝創業理念を唱和しているにもかかわらず、創業者の考えからずれる企業の典型的なケースです。
 
企業だけではありません。無用に人を傷つけたくないので、具体的な表現は控えますが、始祖亡き後、教えが変わっていくのも、始祖の考えや教えを分かったフリの弟子が増えてくるからです。
 
行動さえ同じくすれば、始祖と同じ景色が見られるかといえば、そうは限らない。私が、人とはかくも厄介で、難しいと思うところです。
 
なぜ、先人達が荒行をするかといえば、自我の抑制のためなのです。滝に打たれること自体、同じところをぐるぐる歩くこと自体に意味などありません。自我を抑制する瞬間をまつために苦行するだけなのです。これを分からない人が、荒行をしても、ただ自分をいじめているだけで何年経過しても何もみえてこないのです。
 
この意味を感得できれば、荒行をすることよりも効果的なことに気づくのです。
 
修行者でさえ、分からなくなるのですから、一般の人が形骸化しやすいのは無理はありません。
 
やることが大事なのではなく、なぜやるかの意味が伴うことが大事なのです。
これを先に教えないと何事も、正しい継承はできません。
無論、意味を知っているだけでも駄目です。人とは、かくも難しい生き物だと思います。
 
 

11.価値共有とは、社内の人達だけでなく、売り手と買い手との間で、その商品、そのサービスの良さを共通の価値にすること。これが大事ということです。

 
いわゆる、この価値共有ができるから、リピーターが生まれ再来店となるのです。価値共有ができるからこそ、商売の寿命も延びるのです。
 
ところが、この価値共有という感覚が無い人は、売りっぱなしになる。そのため、宣伝広告費がいつになっても減らないのです。絶えず新規顧客が必要になるからです。
 
 

12.工夫とは、価値共有ができているとしても、それに甘えること無く、もっとお客さまを喜ばせる。もっと便利にする。もっと幸せにする。これらを絶えず意識し行動することです。

 
これらが、次の革新、進展に繋がっていきます。
 
 

13.革新又は進展とは、文字通りです。

 
ビジネスも商売も変化している世の中の中で行うものです。そのため、変えるべきところと、守り抜くところを双方を自覚しながら、その時代の風潮に合わせて行くことが求められます。
 
ここでも難しいことがあります。
 
商売センスの無い人が、何代も続く会社を継ぐと、時代に合わせ全部変えていこうと考えるのです。
 
創業者が状況に応じて変えようとする感覚と、似て非なることがあるという自覚が無いと大変な事になる。これも現場経験がないと気づかない怖い現実です。
 
哲学編の講義でもお話したように、地球上の生物は過去を全否定して進化することはありません。変えるところと、変えないところがあるのです。これも自然の摂理です。
 
新しくするところと、変えずに守るところの見極めを、あなたが持っているか。それを自問自答してください。見極めることができるという自負が、経営者、管理職の適性になっていきます。
 
また進展とあるのは、現状に満足しては、マーケティングを放棄したことになります。そして、別の問題が生まれるのです。現状維持で良いと経営者が思う会社は、新入社員が集まりにくくなります。人は、無意識に発展性のあるところに引き寄せられるのです。今のままで良いという経営者ほど、人が来ないという台詞が多い。あなたの周りにはいませんか。
 
 
 
 
 
 

最後にマーケティングについて、結論をいいます。

 
 
 

 
 
 
 
 
 

いかに最先端のマーケティング理論を学び、手法を知っていても、他者に興味がない。あるいは、他者を喜ばすことが好きでない。これらの人は、いかにマーケティング理論を知っていても、商売の場では何の役にも立たない。これが、この世の現実である。

 
 
これが、乗降客数が日本一の駅前で店を出して、閉店する人がいる。
 
マーケティング会社に調査分析を依頼し出店し、倒産する会社がある答えなのです。
 
では、日本のマーケティング学の第一人者 村田昭治という御仁は、どういう方か。
人を喜ばすことと、人が幸せになることを考えること、三度の飯より好きという人柄なのです。詳しいエピソードは後ほどお話します。
 
 

マーケティングセンスの下地とは、他人に興味を持ち、人を喜ばすこと、人が幸福になることを好きになるということ

 
 
厳密に言えば、ただ単に好きというレベルでは、長続きしません。また役に立ちにくいです。
 
なぜなら、自分に取って良い人だけが、この世にいるわけではないからです。腹立たしく思え、憤る人も来店します。これもまた人の世の現実です。
 
マーケティングの対象は、自分が好きな人だけでなく、嫌いな人も含まれているのです。
だから小手先の発想では、役に立たなくなるのです。
 
人を喜ばすこと、人が幸福になることを好きになるといっても、あいまいで何からはじめれば解らないということもあります。そこでコツがあります。
 
人間には悪い癖というものがあります。その逆に、良い癖というのもあります。
 
人を喜ばすこと。人を幸せにすることを考えるのを、自分の癖にしてしまえば良いのです。
 
癖にするには毎日意識的に一回必ず行動で表現します。それを続けることで無意識にできるようになっていきます。
 
無意識にできるようになったとき、マーケティングセンスが発動していることになるのです。
そうなれば、高度な理論を知らなくても、商売で困るようなことはなくなっていきます。
 


これで、講義を終わります。
 
 
 
 

 

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