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商売成功の理由は人それぞれ。しかし、商売失敗の原因は、ほぼ共通している。
このウェブサイトは、商売が失敗する原因を学ぶところです。

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全サービス業共通 実践ノウハウ編

TECHNICAL JOB

【採用担当者必修】商売及び接客業に必須な六つの能力

 


 

インデックス

 
 
 
■ 六つの能力とは何か。

■ 共感性、感受性とは何か。

■ 包容力、受容力とは何か。

■ 勇気とは何か。
 
■ 覚悟とは何か。
 
 


 

六つの能力とは何か。

 
 
サービス業従事者にとって必須能力というものがあります。初めて聞かれる方々も多いかもしれません。私の話を聞いて初めて知ったという人も多くおられます。
 
プロのスポーツ競技を知っている人なら、ルールブックを丸暗記して、教本通り、体を動かせるようになっても、それだけでプロスポーツ選手にはなれないことは、誰でも知っています。
 
ところがサービス業になると、一般教養や学力、商品知識、店舗オペレーションの仕方、接客法を知ってさえいれば、サービス業従事者として務まると思っている人が多いのです。
 
ましてや甚だ危険な考え方は、新人教育もそこそこで終わり、あとはOJT《On the Job Training》で慣れてくださいというサービス業の会社が多い。OJTとは職場で実際に仕事をしながら訓練するということです。
 
しかし、この考えが乱暴なのです。
これが、店舗の評判を下げる元、売上不振の大きな原因だと知ったら、あなたは何を感じますか。
 
OJTが乱暴な理由は、実に簡単です。
 
役者が本番の舞台の上で練習していたら、お金を払ってまで観たいと思いますか?
 
サービス業だけ許されていると思っている心根に根の深い問題がある。
そう感じませんか。
 
 
サービス業は、実践実技の世界のため、分かるということと、できるということは違うのです。
 
その厳しい現実を、誠に残念なことに人事の採用担当者が知らずに採用を続けているのです。
 
これが原因で、現在様々な問題が生じています。ところが、気づいている会社の方が少ないと感じています。
 
だからこそ、改めてサービス業に従事する人の必須能力について考えて頂く必要がある時代になりました。
 
サービス業の必須能力を無視して、学歴や協調性、真面目さだけで採用しているから、会社も店もなくなるのです。
この怖さを知らないことは、既に許されない状況です。
 
 
無論、学歴の有無を確認することを否定してはいません。
また大学で、経済学や商学を学ぶことは悪いことではありません。
 
その上で、あえて学歴より、必須な能力がサービス業にはあると話しています。
 
なぜなら、現実に義務教育しか受けていなくても商売で成功している人がいるからです。では、学歴より何が上回ったのか。この点が大事になります。
 
あなたも、そう思われませんか。
 
 
表現を変えれば、ランニングコスト等のお金の管理、納税、法律、こうした高度な知識は、確かに商売には必要です。
但し、良く観て頂ければ分かるように、これらは税理士や弁護士というプロの方々にお願いできる領域です。お金の管理も入力さえすれば、コンピュータが自動処理してくれる時代です。
 
他人にお願いすることのできない能力が、商売を左右しているとしたら、あなたはどうしますか。
 
自力で体得しようと考えるはずです。それが、商売に必要な六つの能力なのです。
 
本講義でいう六つの能力は、他者に任せることができません。
いわゆるプロスポーツ選手で言うところの、基礎体力や運動能力を表します。
 
したがって基礎体力や運動能力を持っていない人は、いかにルールや理屈を知っていても試合に出て活躍できない。
同じことが、商売の現場でもあるということです。
 
 
商売を長く営むため、あるいはサービス業従事者として生きるために必要な六つの必須能力とは何か。
 
それは、
 

共感性 ・・・他者の感情に自分の心の周波を合わせる能力

 

感受性 ・・・他者の感情を酌む能力

 

包容力 ・・・価値観、人生観の違う他者を受け入れる能力

 

受容力 ・・・価値観、人生観の違う他者を許す能力

 

勇気  ・・・いかなる人間に対しても怯まず、最後まで付き添う気概

 

覚悟  ・・・全ての人に己の誠意が通じるとは限らない覚悟と、六つの能力が必要と思う覚悟

 
これら、六つです。
 
それでは、一つ一つお話していきましょう。
 

共感性、感受性とは何か。

 
 
最初に問われる重要な能力が、共感性と感受性です。
 
これは相手の心情を酌んだり、相手の感情の周波に、自分の心の周波を合わせる能力です。
 
例えば、レジの前で何かを探している様子のお客さまをみて、商品を探しているのか、我が子を探しているのか。お客さまに尋ねないと分からないようでは、サービス業は務まりません。
 
共感性と感受性がないと商売で、どのような不利があるか実際にある例でお話します。
 
相手の心情を酌めないため、知らず知らずにお客さまの怒りを買いやすくなります。悪気無くクレームの発生源になってしまう。 
この結果、来客数が減る原因になるのです。
 
その上、共感性と感受性がない人は、お客さまが、一度怒りはじめると静めることさえも難しくなります。
 
相手が怒っているということしか解釈できないのです。なぜ立腹しているのか。怒りの原因を酌めないために、怒りを収める方法すら見つからないのです。
 
このためクレーム応対の際に「誠に申し訳ございません」と、お詫びしかできない人がいるのです。
 
謝っているのでお客さまの感情を酌んでいるように見えますが、内心は全く酌めていない人が多いのです。そのため、許して貰えるまで、ひたすら謝るしかありません。
しかし許して貰えないと、返金しか対応手段がない。返金でも許して貰えないと、弁護士や警察の力が必要になる。これが、典型的なタイプです。
 
 
商売上、共感性と感受性がないことで生じる最も致命的な問題点があります。
 
商売が上手く行くと言うことは、お客さまが喜ぶこと、必要だと思うことを、先んじて提供することが必要になります。
 
ところが共感性と感受性がないと、その先回りができません。
いわゆる気が利かない。空気が読めないという感覚は、共感性と感受性の能力が弱いのです。
 
そして、新規のお客さまを増やそうと、広告や宣伝をおこなっても、お客さまの琴線に触れることができないため、簡単にコストの無駄になってしまうのです。
これが、いわゆるマーケティングの失敗です。
 
国内外を問わず、商売が上手い人や、ビジネスの成功者を見ると、感受性、共感性の能力が高い人達が多いことに気づきます。
 
これは、マーケティング戦略の企画立案にたずさわる人や、広告宣伝担当者にも言えることです。
 
また、サービス業とは言えないかも知れませんが、著名な投資家の人達の様子を観ると、感受性や共感性の能力が著しく高いと感じます。
例えば、ウォーレン・エドワード・バフェット氏や、ジョージ・ソロス氏ジム・ロジャーズ氏のような方々です。【各氏link:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)参照』】
 
こちらのお三方を観ると、経営状態や経済動向よりも、民衆の心理を敏感に感じとり投資判断をしているように見えます。
 
 
他人の感情の周波に合わせる能力。あるいは、合わせようとする性質を有した人が、商売には適しているのです。
 
だからこそ商売は感受性、共感性を有した人を採用しなければならないのです。
 

包容力、受容力とは何か。

 
 
包容力と受容力とは何か。それは、全てのお客さまを隔てなく受け入れることと、様々な価値観を有したお客さまを許す能力になります。
 
実は、この能力の有無は、お客さまのために必要というよりも、働く人自身のために必須といえる能力なのです。
 
この能力の必要性を知らないから、サービス業は離職率が高いのです。
パート・アルバイトを含め、新入社員が、辞めてしまうことが多いと嘆く人に、この能力を重要視しているか、尋ねてみてください。全く考えてもいなかったとおっしゃるでしょう。
 
 
サービス業は、不特定多数の人と向き合う仕事です。優しく感じの良いお客さまもいれば、横柄な態度で不条理なことを言う人も多くいます。
あるいは、世話のかかる人も現実にはいます。これが人間の世界の現実です。
 
その人達、全てを受け入れようとする心。そして厄介な人でも、許せる心。これが、商売を営む上でも、サービス業で働く上でも必須になるのです。
 
 
では、この能力がないと、どうなるか知っていますか。
 
 
包容力と受容力が無い人にとって、不特定多数と接する商売や、サービス業は、地獄の職業になってしまうのです。
 
人を受け入れる心、許す心の無い人にとって、これほど過酷な職業はありません。
 
それでは、包容力と受容力の無い人を、私がどう見抜くのか。
明日からできる簡単な方法をお分けします。
 
包容力と受容力がない人が、商売の世界やサービス業に入ってくると、必ずバックヤードで、お客さまの悪口がはじまります。様々な人を相手にする中で、生身の人間ですから気持ちは、よく分かります。
 
私も現場を経験しておりますので、正直に言えば、ふざけるなと思う人が来店する現実も知っています。
 
だからこそ、商売やサービス業で従事するためには、包容力と受容力がなければ務まりません。どんなに嫌なことがあっても、翌日まで持ち越さない力が、必要になります。
 
包容力と受容力が無い人を放置していると、どうなるか知っていますか。
 
先ず職場の雰囲気が悪くなります。そして積極的にお客さまに親切にしようとする新人が入ってきても、そこまでする必要は無いとブレーキを掛ける様になるのです。
 
これが店舗の評判を下げるのです。
 
なぜブレーキを掛けるのか。それは不平不満に冒されているだけでなく、同時に人疲れ病にもかかっているため、自分達よりもお客さまのために働く人を、うとましく感じるようになるからです。
 
包容力と受容力の無い人を気づかずに雇用し続ける最大のリスクを知っていますか。
 
それは、包容力と受容力のない人は、必ずお客さまの悪口を言いはじめると言いましたが、それだけには留まりません。上司や同僚に対しても不平不満を抱きやすいのです。サービス業では絶対に、この現象が許されません。
 
なぜなら不平不満の人が、体から発散する雰囲気は、商人道義塾でいう陰の雰囲気のことです。
 
陰の雰囲気とは、別名、斥力の雰囲気と読んでいるものです。
即ち、人をはね除ける雰囲気です。このエネルギーが、収益悪化や、集客数低下を招く原因なのです。
 
陰の雰囲気の人を店頭に立たせていると、何もしなくても、ただ立っているだけで着実に顧客は減ります。
 
私が、なぜ先行き不安な会社や店を、売り上げ好調時や、集客の良い時から具体的に予言できているのは、この陰のエネルギーの割合を見極めることができるからなのです。
 
働いている人の心の状態と、発散している雰囲気の質を観て陰陽のバランスを判断しているのです。だからこそ、誤ることがないのです。
 
したがって、包容力と受容力を有していない人を無自覚に採用したり、放置したりすることは、商売上、サービス業にとっても、必ず致命傷になります。
 
この怖さを、この機会に是非あなたにも自覚して頂きたいのです。
 
 

勇気とは何か。

 
 
次は、勇気です。
 
既に哲学編でも話しておりますので、ピンときた方もおられると思います。
 
まず勇気についてお話します。
商売を営む、サービス業に従事する、これらのための勇気には、二つの勇気があります。
 
 
一つは、全てのお客さまに対して、真っ正面に堂々と立ちはだかる気概としての勇気です。これは言葉通りです。どなたでも理解できることと思います。
 
その上で一つ重要なことを付け加えると、真っ正面に立ちはだかる勇気と、あえて言う理由があります。
 
接客はお客さまに媚びへつらうことではありません。
媚びたり、下手に出たりする人は、実は真っ正面には立てないのです。必ず腰が引けています。
 
一見すると、お客さまを重んじて応対しているように見えても、ここ一番、大事な時に逃げ腰になる。それが、お客さまから好かれない原因を作っていくのです。
 
 
次に必要になるのが、二つ目の勇気です。
 
哲学編を受講している方は、もう分かったと思います。
それは、嫌われる勇気であります。
 
けっして誤解なく頂きたいのは、「お客さまに嫌われても良い」という意味ではありません。
 
店頭に立ち、接客経験のある人なら分かることです。
それは、自分が誠心誠意努めて接しても、お客さまの中には、余計なことをするなと怒る人が必ずいます。
 
良かれと思って先回りしたことで、叱られることもあります。
嫌われる勇気とは、自分がどんなに誠心誠意努めても、自分を嫌う人が、必ずこの世には存在する。この現実を覚悟する勇気なのです。
 
一度、お客さまに嫌われても、怒鳴られても、くよくよとたじろかず。
いかなる扱いを受けようが、心を折れず。
次のお客さまに迷わず、躊躇せず、立ち向かう。
 
この勇気が必要だと、常日頃から気構えをもって働くのです。
 
 
実際にあったことを例にしますと、
「お年寄りに、お荷物をもちましょうかと、お声がけしたら、年寄り扱いするなと怒られました。それから私、お年寄りに声をかけるの止めました」と、ある企業の若い女性社員がおっしゃいました。この女性社員には、サービス業で必要な能力の一つ、勇気がないのです。
 
なぜなら、一人のお年寄りに怒られたとしても、他のお年寄りが怒るとは限りません。荷物をもってくれて、ありがとうと喜ぶ人もいるのです。
 
「社会は、一つの価値観で動いているわけではない」という実戦経験が、著しく不足している。それが原因です。
 
そして、全てのお客さまに対して真っ正面に立ちはだかる気概と、あえて言ったのは、様々な価値観を有し、人それぞれの生命エネルギーを出して、人は生きています。
 
このため接客を伴うサービス業で働くと言うことは、気概がないと、すぐに人負けしてしまうのです。
 
人混みに長時間いると、なんとも言えない体のだるさや疲れを感じることがあります。これも人疲れという現象です。
 
サービス業特有の病、人疲れについて忘れている人は哲学編講義で、改めて確認してください。
 
したがって、サービス業従事者にとって勇気を持つことは、自分の心身を守る見えざる鎧になるのです。この見えざる鎧は、私の研修では実際に見せてあげることはできますが、Web講義だと伝わりにくいかも知れません。
 
 
 
 
二つの勇気の有無は、想像以上に重要なことなのですが、新入社員教育で実施している会社が少ない。この現実に、いつも驚かされています。
 
 
接客業で働く際は、自分の誠意が伝わらない人がいる覚悟を持つ。この心得が必要です。
 
お客さまに嫌われても良いではなく、嫌われることがある覚悟。
そしてお客さまに嫌われても、いつかは己の誠意が通じると信じる姿勢。
 
これらサービス業の心得を知らずに従事すれば、この世で最も過酷な職業となる。それが、接客を伴うサービス業です。
 
その一方で、自分を嫌っていた人が、心変わりをしてくれる時、人心の奥行きと人情の良さを実感することができます。
 
この時にサービス業は、この世で最も幸せな職業になるのです。
この体験を一度でもしてしまうと、接客業は辞められないほど、楽しくなります。
 
目前で激高していたお客さまが、笑顔で感謝して帰る。そしてその後、再来店を続けてくださる。こうした経験が、商売やサービス業でのプロフェッショナルを生むのです。
 
 
 

覚悟とは何か。

 
 
そして最後の覚悟についてです。
 
この覚悟が必要な意味は、本講義内容が、サービス業には必須だと心を定める覚悟になります。
 
この心定めが、勇気と相まって見えざる鎧を、さらに強固にします。そして自分の心身を守ってくれるのです。これは、経験者しか感じない感覚です。
 
覚悟の無い人と、覚悟し心が定まっている人では、人疲れという病にかかる率が大きく違うのです。
 
したがって覚悟することが、人疲れの予防になるだけでなく、サービス業従事者にとって必要不可欠のたしなみとなるのです。
 
人の世は、様々な人がいる。自分と価値観の違う人間もいる。それでも自店にお越しの方は、隔てなく自分が最後まで対応する。この覚悟が大事です。
 
 
覚悟がないから、すぐに辞めたくなる。
覚悟がないから、他人のエネルギーに負けるのです。
 
 
次の講義は、各能力の養い方をお話します。
是非、受講するだけで終わらず、日々の生活で試してください。
 
 
 
これで講義を終わります。
 
 
 
 
 

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