TOP | 全業種共通哲学編 | 接客の構え|哲学編-心得-

商人道義塾

Limited Partnership ENLIGHTS & Co.  創立21周年記念事業 

商人道義塾の利用は原則無料ですが、 ご利用条件LinkIconがございます、必ず最初に御確認ください
 
 

全サービス業共通 商売哲学編

PHILOSOPHY 

【広告】

接客の構え|哲学編-心得-

 
 
 
サービス業共通哲学編の序章で、「接客の構え」について触れました。
 
序章では、「不条理なことをおっしゃる人は、招かざる客ではなく、救済の対象であり、自分に出会ったからには、この人を救って差し上げたいと思えば良い」と、話しました。
 
しかしながら、あなたも思ったかも知れません。
実際の現場に立つと、言葉で言うほど簡単ではない。これは、誰にでもすぐ分かることです。
私も現場経験者ですので、良心的で物分かりが良く、優しいお客さまだけではない現実を、よく知っています。
 
だからこそ、この接客の構えという意識が、非常に重要な事も知っているのです。
 
 
 
 
 
 

接客の構えが必要な二つの理由。

 
 
 
接客の構えは、接客業で働く人達にとっては、とても重要です。そして必要な理由が、二つあります。
 
必要な理由の一つは、気難しくて厄介だと思う人、すぐに怒る人、どのような方々でも、怯まず対応できる方法を有していないと、対人応対が必要な業務は、心がいくつあっても足らなくなるからです。
 
特に真面目で、子供の頃から叱られる経験が少ない人は、怒鳴られるだけで、心身の負担が想像以上に増します。
 
さらに細かく言えば、人間は何もせずとも人と接するだけで無意識に他者のエネルギーの影響を受けるのです。
 
あなたにも経験がないでしょうか。たまに人混みに長時間いると、帰宅してぐったりすることがありませんか。
 
社交的で、いかに対人応対が必要なサービス業を好んでいても、生身の人間なら必ず人疲れが生じます。
そのため、自分の心身を守りつつ、人疲れしない術が必要です。
 
これを知らずに接客すれば、とてつもなく苦役になる。そういって過言ではありません。
接客の構えは、自分の心身のバリアになるものです。
 
 

そして二つ目に必要な理由は、接客の構えを持つことで、厄介な人、招かざる客だと逃げてしまうことを避けられるからです。
 
この結果、逃げる人には、けっして得ることのできない、サービス業従事者冥利があるのです。
 
サービス業従事者冥利とは、嫌な人から逃げる人には絶対に手に入らないものです。
 
それは、鬼の形相で怒っている人が、自分の誠意に共鳴して仏に戻る瞬間がある。その後、一生の顧客になって下さるということがあるのです。他人は、自分の出方一つで、悪にも善にもなる。このことに気づくこと、これがサービス業従事者冥利の一つです。
 
この冥利を得ることができたなら、これこそが、人に強いということになるのです。
 
 
 
 
 
 

接客の構えを知らずにいる、デメリットとは何か。

 
 
 
 
では、もし接客の構えを知らずに接客の現場で仕事を続けると、どのようなデメリットがあるのでしょうか。
 
先に、これを知ってください。
それは、人疲れという病に冒され易くなることです。
人疲れという病になると、サービス業従事者の適性が無くなるだけでなく、人間関係の不和の原因にもなります。
 
 
 
 
 

サービス業には、人疲れという特有の病がある。サービス業従事者にとって何より恐ろしいことは、人疲れという病は自覚症状がない。そして無意識に家庭不和の原因となり、閉店倒産する原因ともなる。

 
 

 

 
 
先ほど言った人疲れということば、初耳ですか?
実は、サービス業には、人疲れという特有の病があります。
 
いかに勇んで、意気揚々とサービス業の会社に入社しても、人疲れを回避できる術をもたないと、誰でも数年の内に人疲れをお越し、段々と笑顔が減り、愛想良く振る舞うことが苦痛になってきます。
 
人疲れという病に冒されている人達を、あなたもご覧になったことはありませんか?
 
例えば、路線バスやタクシーの運転手で態度の悪い人は、十中八九人疲れという病に冒されている人達と思って間違いありません。毎日毎日、狭い空間の中で、不特定多数のお客さまと接しているうちに、人疲れという病に冒されているのです。
 
入社して勤務初日から態度の悪い人などいないはずなのです。
 
 
人疲れという病は自覚症状がありません。しかし、人疲れという病の状態になると帰宅後、自分の家族に厳しい態度になる人がいます。その結果、夫婦や家庭不和の原因になっていることもあるのです。
あるいは、家族にはあたらず、自分の中で我慢し続けた結果、最悪の場合、精神科に通院するということが、現実にあります。
 
これは、けっして他人事ではありません。誰にでも生じる可能性があるのです。それだけ、接客業は生易しい仕事ではないのです。
 
ところが昨今は、話が好き、世話が好きというような安易な動機で入社する人が後を絶たない。
 
無論、悪いことではありません。しかしながら、適切に指導できる人が少なくなっているため、人疲れが放置されているのが現状です。その結果、陰の雰囲気を出す人が多くなり、集客が悪くなるのです。
 
 
この陰の雰囲気を出す人が店内に増えると、確実に閉店倒産に向かう原因になります。
 
なぜなら、陰の雰囲気を発散する人が、店に立つ。そして、何もせず、何も語らずの状態であっても、顧客離反という現象が生じるようになるのです。
 
いかに良品を置こうが、美味しい料理を提供しようが、すべてが無駄になるのです。人間が発散する陰の雰囲気は、商材より、遥かにお客さまの記憶に残るからです。
 
さらに恐ろしいことは、陰の雰囲気を発散する人が従業員の中で3割を超えてくると、いかにデザインや照明にこだわって店作りをしても、デットエリアが増えます。
 
デットエリアとは、電波の届かない地域を指すように、店内で、従業員の心配りがなされていないエリアということです。
 
私の言葉で言い換えれば、商品棚や店内の空気が重く感じる、空気が死んだように感じるエリアであります。このデットエリアは、活動的な人間ほど無意識に嫌う空気感なのです。これが、商売にとっては非常に怖いのです。
 
なぜなら、活動的な人ほど、買い物でよくお金を使うということが多いからです。
そのため、デットエリアがあると客単価を大きく下げる原因になります。またそれだけでは済まない怖さがあります。それは、お客さまの無意識の記憶に残り、再来店の動機づけをも消す原因になるのです。
 
だからこそ、人疲れした従業員を放置すること、けっして侮ってはいけません。
 
実は、この現象、コンビニエンスストアをはじめ、多くのフランチャイズ展開企業が加盟店に教えていないノウハウの一つだと感じています。
 
そのため、各オーナーはなぜ同じ商材で、立地も悪くないのに売上が上がらないのか。その答えを知らないまま苦労しています。最悪の場合は、撤退となります。
 
「人手がない、だから誰でも良いから採用」という発想が、いかに危険な考え方か、商人道を学んでいれば気づくことなのですが、しかし大企業の本部には、ビジネスマンはいても、商人がいない。気づかないのも、止むを得ないことかも知れません。
 
陰の雰囲気を発散する人を、考えなく店に立たせることは、私からすればブレーキのない自動車を運転するぐらい、怖いことです。
 
陰の雰囲気を発散する人が多くいる店は、該当者が帰宅した後でも、その方々の雰囲気の残存があります。この残存こそ、デットエリア特有の空気感なのです。
 
そのため私が臨店した際、必ず有無を確認して巡るのが、実はこのデットエリアなのです。ただし、開店間も無い頃は、店内にはデットエリアはありません。従業員の心が勇んでいるので、当然かも知れません。
 
しかし、閉店倒産している店は、開店間も無い頃に、既にバックヤードには、デットエリアがあるということ、珍しくありません。そのため、臨店する際は、必ず店裏も見てくるのです。
 
私だけが感じるデットエリアというのもありますが、感覚だと分かりにくいので、目で見える現象でお話しましょう。
 
例えば、婦人服店の場合、お客さまへの感謝が、表向きには謳ってあっても、試着室の汚さで感謝していないことが、簡単に分かってしまうのです。
 
また、チームワークが悪い職場は、ほとんどの場合、共用部分が汚いです。例えば、本社の場合は、共用の流し、更衣室、休憩所、ゴミ箱付近などです。
店舗の場合も、人間関係の不和が多いと、段ボール等が乱雑に置かれていることが、ほとんどです。そして、目に触れる場所しか、掃除をしていない。
 
人間の心の状態は、無意識に環境に現れます。こうした観察眼をもてれば、本社内のオフィスの状態を見るだけで、本社社員各位に訊かずとも、各店舗に的確な指示が出せているか、否かも判断がつくようになるのです。
 
 
 
話を戻しましょう。
対人応対の仕事で、人疲れをゼロにすることはできません。人と接するということは、非常にエネルギーを使うことなのです。
 
人疲れをゼロにはできなくても、人疲れに負けない心身を有することはできます。
 
そのために、接客の構えがあるのです。心して学んで頂ければ、私が言うことの重要さ、多くの方々が理解できるようになります。
 
そして何より、あなたが気づき、社内教育できるようになれば、それだけで人助けになるのです。
 
 


 

□ 講義目的 □

 
 
接客の構えを知ることで、見えざる鎧をまとう重要性の基本を学ぶ。
本講義の「接客の構え」の最も重要な部分は、実践編で行います。
 
哲学編では、「接客の構え」の基本を学んで頂きます。
 
 
 


 
 
 
それでは、「接客の構え」というと、あなたは何を想像しますか。
 
 

○ 航空会社のキャビンアテンダントの立ち居振る舞い。

○ ソムリエのデキャンタージュする姿。

○ ホテルのベルボーイやフロントクラークの立ち居振る舞い。

○ カウンター越しで、鮨職人が寿司を握る姿。

○ 給仕担当者がテーブル横で立つ姿。

○ ビジネスショーにいるコンパニオンやレセプショニストの姿。

 
 
制服の着方や、職種特有の動き方等々、これらを想像されましたか。
 
確かに、はじめて「接客の構え」という話を聞いた人は、立ち居振る舞いや、職業ごとの姿を想像するかも知れません。
 
間違ってはいませんが、これでは商人道義塾で取り扱う必要のない、既に公知されているものと同じです。
 
 
そこで、最初にあなたにクイズを出しましょう。
次の写真を見てください。この写真の姿は、接客の構えとしては正しいものと言えますか?

さぁ、いかがでしょうか?
 
 

 
 

答えをお話しします。
写真の女性は、立ち居振る舞いは美しいかも知れませんが、接客の構えとしては正しくありません。
 
ただし、この写真の姿が必要になる職業もあります。
 
それは、民間会社では、航空機の中での接客時。キャビンアテンダントには適しているとは言えます。狭い空間には向いているのです。
理由は、弊社が行うハビタット戦略に関わる事になり、話しが長くなるため、ここでは割愛します。
また特殊な例としては、警察官には向いています。
 
これを知らずに、一般的な地上勤務の人が真似しても、上手く行きません。上手く行かないどころか、逆効果になるのです。
 
実は、この事実を意外と知らない人が多いです。あなたも、この写真の姿のような人達を、百貨店やGMSで見かけませんか。
 
あなたは、なぜこの写真の姿が正しくないか。
なぜ、一見すると理想的にも見える美しい姿が、良くないのか。その答えが分かりますか?
 
 
この写真、よく観察すると、何かに気づきませんか?
 
 
手の位置が高いことが分かります。その結果、上半身、特に肩や首の付け根に力が入っています。
人間は、本能的に相手の体の緊張度を、無意識に感じとるのです。
 
したがって、売り手側(提供者)の体に少しでも緊張があると、向かい合うお客さまにも無意識に力が入るのです。
 
人間は、筋肉が弛緩した状態でないと、良い記憶が残りにくいのです。これは、対人応対上、非常に大事な観点です。
 
接客で笑顔が大事なのは、単に笑うことではありません。笑えば良いというものではないのです。
笑顔には、ただ笑って接客するという単純ではない、重要な意味があるのです。

人間は、笑うことで力が抜ける。力を抜いている人は、自分の敵ではないと本能的に判断するのです。こうしたことから、笑顔で接するということの大事さの本意が分かってきます。
 
相手の力を抜くための笑顔という本意を知らないと、いかに笑顔の訓練をしたところで意味はありません。
 
上の写真の女性も、口は笑っていますが、良く見ると眼球は笑っていない。特に左目です。
口角を上げるだけの訓練など、まったく本質からずれた接客訓練になっている証しです。
 
 
人間は、笑顔の状態のときは、体の力がぬけ、リラックス状態になっているのです。
 
相手が緊張を解いた状態でいるから、自分の緊張も解けるという本能的な感覚があるのです。
そのため、笑顔で自分に接してくる人を、本能的に安心し、心を開きやすくします。
相手が自分に敵意が無い人だと分かる感覚の源は、筋肉の弛緩が決めているといって過言ではないのです。
 
先ほどの写真は、体に力が入っているため、無意識に緊張感を相手に与え続けているのです。
そのため、時間が経っても相手は、心を開きにくいという状態になってしまうのです。
 
写真の姿は、警察官のように安易に軽視されては困る仕事や、キャビンアテンダントのように狭い場所で何時間も同席する必要がある仕事など、相手に緊張感を与える必要がある職種には向いています。
 
しかし、相手に速やかに緊張感をとって頂く必要がある職種には、逆効果になるのです。
 
したがって、お客さまに良い記憶を残して頂こうと思ったら、先ず自分(接客する側)の体の力を抜いた状態にする。これが、できないといけません。
 
ところが単に体の力を抜いただけでは、今度は心が無防備になる。無防備の心の状態で、他者と接すると人疲れを起こし易くなります。
 
さらに、無防備の心の状態で、お客さまから粗野な態度をとられたり、怒鳴られたりすると、想像以上に心身のダメージが大きくなる。この現実を知らないために、毎日クレームを受け続けると精神疾患を患う担当者がでるのです。
 
そのため、自らの体の力を抜きつつ、同時に心を守る状態にしていなければ接客はできないのです。
 
どうですか。接客は奥が深いと感じましたか。
奥が深いと感じたあなたは、理解が早い。素晴らしいです。
 
 
 
 
 
 

接客の構えとは、何か。

 
 
 
それでは、本題に入ります。
 
「接客の構え」を作るには順番と、心得があります。
 

■ 作り方

1、全身の力を抜く。

2、心の状態をつくる。

3、呼吸を整え、見えざるバリアを身にまとう。
 
 
■ 心得

4、恫喝や激高を受けている間は、決して呼吸は止めない。

5、公私の切り替え時間を必ずもつ。

 
以上の五つであります。
 
それでは、一つ一つ説明していきましょう。
 
 

1、接客の構えの作り方 【その1:全身の力を抜く。】

 
息をゆっくりと大きく吐きながら力を抜いていきます。
難しいと感じた人は、その場で数回ジャンプします。ジャンプすると本能が力を抜いてくれます。
 
ジャンプができない時は、体全身がポカポカと温かくなると、イメージしながら深呼吸するのです。
 
 
 
 

2、接客の構えの作り方 【その2:心の状態をつくる。】

 
 
心の状態をつくるとは、接客向きの心にするということです。
結論から言えば、いかなるタイプの人とも真正面から応対するという覚悟を持つということです。
 
覚悟といっても、「今日から接客を頑張ります」とか、「いかなるお客さまにも親切にします」とか、宣誓のようなものではありません。
 
改めて考えてみてください。なぜ、接客の心構えと言わず、接客の構えというのか。
心構えでは、人疲れを回避できるほどの心身の状態にならない。それが経験的に分かっているからなのです。
 
では、この場合の覚悟を持つとは、どういうことでしょうか。
 
結論から、話しましょう。
 
接客の構えを作る上で、最初に必要な覚悟とは、「いかに誠心誠意を尽くそうとも、お客さまに嫌われることが、必ず有る」という覚悟なのです。
 
接客の正しい教育を受けずに現場に入る人の共通点は、全ての人に好かれようとしてしまうのです。
 
確かに、目標はすべてのお客さまに、好かれることです。
ところが、この考えでは、すぐ心が折れる。それが接客という世界なのです。
 
それでは、理解を深めるために、実際有った、例を出しましょう。
 
 
ある会社のマネージャー研修でのことです。
 
一人の受講者が、「店頭でお年寄りに荷物をお持ちしましょうか?と声をかけたら、年寄り扱いするなと、叱られました。それ以来、失礼がないよう私は、お年寄りにお声がけすることを止めました」と、皆の前でおっしゃったのです。
 
あなたは、どう思われますか?
 
実は、こうしたケースは現在様々な業種で増えています。特に厄介なのは役所でも同様です。
 
一人のお客さまの意見が、さも全体の意見のように扱われてしまう。1件でも激高型や強いクレームが出ると、すぐルール変更してしまうという組織が多くなっているのです。
 
これは、ひとえに接客という世界がいかなるものか、正しい見識を有していないのが原因です。
 
では、先ほどのマネージャー研修で発言したマネージャーは、何が間違っているのか。分かりますか。
 
確かに、お年寄りに親切にして余計な御世話だと言われること、現実にあります。
しかし、だからと言って、たった一人の意見で、すべてのお年寄りが同じ考えだと判断するのは、人を相手にするプロとしては、見識が低すぎるのです。
 
Aさんには、余計な御世話でも、Bさんには有り難いことがある。それが、人の世なのです。
 
一人の意見が、社会全体の意見になるのか、個人の意見で留まるものか。これを判断できないようでは、人と接する仕事には向いていません。
 
 
ではさらに分かりやすくするため、例を換えましょう。
 
あなた自身の経験でも、他の人の経験でも構いません。想像してみてください。
 
子供の頃から、何度かラブレターを書いておられると思います。世代によっては手紙ではなく、メールやメッセンジャーかも知れません。いずれにせよ、ラブレターは、他のどの文章より心がこもっているはずです。
 
そこで、心こもったラブレターは、必ず相手の心に響き、ラブレターを読んでくれた相手は皆恋人になってくれたでしょうか。
 
恐らく多くの方々は、百発百中のラブレターなど無理だと知っているのです。なぜなら、自分の愛情や誠意が必ずしも、相手に届くとは限らない。相手にも好みがあることを知っているからです。
 
これが、本来の人間関係です。自分にも好みがあるように、相手にも好みがある。したがって、自分の思いが必ず通じるとは限らない。
 
ところが、対お客さまへの応対は、どうでしょうか。
自分が、誠心誠意実行すれば、必ず通じる。百発百中だと多くの人が思っている。あなたも、このおかしさに気づかれませんか?
 
そうです。
お客さまも人間です。人間であれば、趣味趣向だけでなく、価値観や生き方も違う。そして、受け取り方も千差万別です。
 
したがって、いかに誠心誠意接しようが、必ず余計な御世話だと怒る人がいるのです。
自分の誠意は伝わらない人がいるという現実を受け入れる。これが接客の構えを作る上での覚悟になるのです。
 
 
 
 
 
 

自分が嫌われることを覚悟する。

 
 
 
この覚悟があるからこそ、怯まず誰に対しても同じように誠心誠意努めることができるのです。
 
さらに一段上の心として、「嫌われることを覚悟する」とは、「嫌われても良い覚悟」ではありません。
この点を、誤って理解しては困ります。
 
「お客さまに嫌われても良い」では、話になりません。
 
 
あくまで嫌われる可能性があることを踏まえて、すべてのお客さまに公平に接する。そして、嫌われることがあった際に大事な心得があります。
 
それは、自分の誠意は、いつかこの人にも伝わる時が来ると信じきることが大事なのです。
これが、接客する上での本当の自負心です。
 
 
私も若い頃から現場経験を長く行ってきました。
何度も、君はお節介だと言われました。君みたいな人間は嫌いだとも言われました。それでも同じ人へのお節介を止めませんでした。
 
その結果、どうなると思いますか?
お客さまが逃げる。いえいえ、実は最初はお節介になれていないので、いわゆるうざったい担当者なのです。
ところが、「他に、そこまで自分にしてくれる人間はいない」ということをお客さまが気づくと、今度は私を頼りにしてくれるようになるのです。
 
また、鬼の形相で激高しているお客さまが目の前に居ても、普段のこの人は優しいお父さん、お母さんだろうと思って応対していると、優しい部分を見せてくれる瞬間が必ず生まれるのです。
 
今話している、お節介と言われた例と、激高している例は、まったく違う例に見えますが、共通する点があるのです。
 
それは、すべての人間には「情」があるということです。これが分かっているから、何を言われても怯むことがないのです。
 
私が、「相手の情を、自分の味方につける」という言葉を頻繁に使うのは、このためです。
 
 
 
 
 
 

接客の極意とは、「相手の情を、自分の味方につける」ことを言う。

 
 
 
接客とは、売り手の情と買い手の情、この間合いの芸術なのです。
私の経験から、平たい言い方をすれば、お節介の美学となります。
 
したがって、一時的に誤解や思い違いを含め、お客さまから嫌われることがあっても、都度やり方を工夫し、諦めず、怯まず、絶えずお客さまのためになることを最優先で実行する。これが、結果的に良い接客の間合いを作るのです。
 
そして、見過ごせない現象は、一度嫌われた後、お客さまの気が変わって、今度は好かれるようになることがあります。そうなると、一生のお客さまになってくださるケースが非常に多い。これは、良い接客の間合いを有してきた経験者ではないと分からない感動的なことです。
 
「接客とは、売り手の情と買い手の情、この間合いの芸術」と言ったように、大事な認識としては、お客さまによって間合いが変わると言うことです。
 
近い間合いで接する方が喜ぶ人もおられれば、距離を置く方が安心するお客さまもいる。この感覚の違いを重視する意識が、話術や立ち居振る舞いの分野で生きてくるのです。
 
 
 
改めて、接客の構えの心を作るということをお話しすると、最初に覚悟という心定めをするのです。
この心定めが、心から余計な迷いや不安を無くす秘訣になります。
 
人間は、他者から嫌われたくないと思えば思うほど、余計な不安が生じる。それが行動を躊躇することに表れる。これでは、接客はできません。
 
「お客さまに嫌われて良い覚悟」ではなく、「嫌われることも有るという覚悟」。この違いを改めて深く肝に銘じてください。
 
 
 
 
 
 

至誠、天に通ずということはあっても、人に通じずということがある。
これもまた人の世の現実である。

 
 
 
 
視野を広げて世の中を見てください。話せば分かるという人がいますが、話しても分からない壁というものが世界にはあります。私の周りにも敬虔なクリスチャンで人格者の方々はおられます。その人達に、例えば仏教の話をする。良い話だと理解は出来ても、仏教徒になるかと言えば、一生ならない。
 
価値観が違うというレベルではない、遥かに違う考え方が、人の世にはある。この事実を、素直に受けとめることも、不特定多数を相手にする商売には、大事な嗜みになるのです。
 
すべてのお客さまに好かれる努力は立派です。しかし、それはロマンであって、ゴールにしてはいけません。すべてのお客さまに好かれることをゴールにすると、自らを苦しめるだけになるのです。
 
自分の無垢の愛情や至誠を、通じない人がいる。これを素直に受け入れることで、接客業は気が楽になるのです。

 
 
 

そこでここからが、とても大事な問題になります。
 
嫌われてもしょうがない。それでも、めげずに続ける。そしてまた再び嫌われることがある。この繰り返しの中で、大事なのは、嫌われた時です。

お客さまから嫌われたときに、自分が正しいから止めないと判断するか、あるいは反省し改めるか。この判断を、絶えず意識していないと独りよがりの接客行為になってしまうのです。
 
そこで、自分の誠意は、普遍性のあるものか。この基準が商売を営む人には、必要になります。
だからこその商人道義塾哲学編なのです。
 
是非、あなたの心の中に、判断の天秤を支える揺るぎない真柱が立つことを願っています。
 
 
 

3、接客の構えの作り方 【その3:呼吸を整え、見えざるバリアを身にまとう。】

 
 
心定めができた後は、今度は体の状態を接客向きにします。
 
恐らく今から話すことは、感覚としての実感もなければ、肉眼でも分からないものです。
 
そこで、是非だまされたと思って三ヶ月実施してください。
続ける間に、頭では理解出来なくても、私が言っていることを必ず体が解るようになります。
 
私が行うセミナーでは、その場でこの感覚の実例をお見せすることもできるのですが、Web講義のため、文章では表現できません。
したがって、信じて頂くしか方法がないのです。
 
 
次の状況の人は、入る前に、必ず実行してみてください。実行は、必ず一人だけの場所で行います。
 
 

1、社内で人間関係に悩みがある人は、オフィスに入る前に必ず毎日実行してください。
 
2、店員各位は店にでる前に、毎回必ず行います。

 
 
 
■ 実行方法 ■
 
息を吸いながら、自分の体は見えざる鎧で守られているとイメージします。
 
そして、今度は何も考えずゆっくりと息を吐く。そして、再び息を吸いながら、どんなに強い攻撃や言動も跳ね返せる強い体になっているとイメージするのです。そして、このイメージを何度か繰り返します。
 
イメージすることを、止めるときに気合いを込め「ヨシ、整った」とガッツポーズをします。ポーズは気合いが入れば、あなたの自由で構いません。万歳三唱のようでも、頬を叩く仕草でも、自分が気合いが入るというポーズなら何でも構いません。
 
大事なのは、ポーズを取ることで、体に意識付けさせることです。イメージだけでは、最初は効果が弱いのです。
 
そして最後に、鏡の前に立ってください。トイレの鏡では駄目です。
排泄物のあるところは、空気が良くないのです。単に悪臭があるからという安易なことではないのですが、言葉にはならないため、トイレではやらないということだけ覚えてください。
 
姿見のように大きなものの方が適しています。体全体の自分の雰囲気を見ながら行う方が、分かりやすいからです。
しかし、無いときは、ロッカーの鏡や、コンパクトについている鏡でも良いです。
 
体を守るバリアをイメージした後に、鏡で自分の顔を見ながらもう一度、息を大きく早く吸い込みます。吸い込んだら、これ以上吸えないところまできた、その瞬間に笑顔になります。
そして、自分に対して、「今日も、私なら大丈夫だ」と強く念じるのです。
これで、基本的な「接客の構え」が整います。
 
 
本来なら、呼吸の仕方を事細かに説明したいのですが、現在公開を未定にしています。
具体的な方法は実践編で行う予定でしたが、新型コロナウイルスの流行で安全のため控えます。
 
塾生の方々には、当然ながらいずれ、方法をお目にかけますが、今しばらくは御容赦下さい。
 
 
 

4、心得その1:恫喝や激高を受けている間は、決して呼吸は止めない。

 
 
新型コロナウイルスの流行のさなかでも、呼吸に関しては、知っていて損の無い話があります。
 
子供の頃から真面目に生きてきて、怒られることが少なかった人は、特に必要になるからです。

「おぃコラ!どう責任をとるんだ。お前じゃ話にならない。責任者を呼んで来い!」と、大きな声で怒鳴られると、応対する担当者の体は、意識的、無意識的問わず、心身が硬直します。普段、温和で真面目な人ほど、顕著に反応が出ます。
 
この際、ただ筋肉が硬くなるだけではありません。怒鳴られるとその瞬間、無意識に数秒程度呼吸が止まるのです。この呼吸が止まるという感覚が、心身に大きなダメージを与えます。
 
これは電話応対でのクレームでも同じです。特に注意が必要なのは、女性の場合、内臓を守る本能からか、前かがみでクレーム対応する人が多くいます。その際は、あえて胸を張り、顔を上げて呼吸を整える。これで自らの心身を守るのです。
 
人間は、誰しも自分が戦闘的な構えができていない状態で、相手からふいに怒鳴られたりすると、一瞬呼吸が止まります。ところが、無自覚で止まっているため、意識せずいると心身ダメージが大きいのです。
 
非常に大きなストレスが脳と内臓にかかります。激高型クレームを連続で受けていると、心が壊れるのは、これが原因なのです。
 
 
 
そこで、一つアドバイスをします。
 
お客さまの怒りが収まらない間は、自分の呼吸を止めないことを意識する。これを、絶対に忘れないでください。
ただし、注意が必要なのは、立腹しているお客さまに悟られないよう、静かに深い呼吸を続けるということです。深い呼吸とは、息を吐く方を長くゆっくりする。これを意識すると良いです。
 
 
補足すると、女性の場合は、呼吸が浅い人が多くいることが、私のセミナー等で分かっています。
 
そこで、女性の場合は最初は息を吐く方を長く意識するだけでなく、胸と腹まで呼吸を吸い込むイメージで吸う方も意識してみてください。その際は、ゆっくりで良いです。早いと立ちくらみする人がいますので、あくまで自分のペースで行ってください。
 
 
コールセンターで激高型クレーム客に応対している場合は、マイクをずらし、ヘッドフォンも、あえて少しずらすのです。相手の怒りが収まるまでの間は、自分の心身を守る時間だと思って良いのです。
 
激高型の怒りで10分以上続けることは、人間にとって至難の業です。相手が怒り疲れる瞬間まで、応対する側は静かに呼吸を整えて居れば良いのです。
なぜなら怒っている最中に、いかに丁寧に詫びの言葉を言ったところで、お客さまの心に入らないのですから。
 
お客さまの怒り疲れを待たずに、安易に謝るからクレーム応対時間が延びるのです。これも実戦経験の乏しい管理職がいる組織では、現場の人達が習えないノウハウの一つです。
 
激高中に、謝っても意味はないのです。たとえ懇切丁寧な謝罪であったとしてもやるだけ損です。なぜなら、相手の記憶に残らないからです。
 
正しい謝罪のタイミングは、激高しているお客さまの怒りが収まり、解決策に納得頂いた後なのです。それから懇切丁寧に謝罪すると、店側の誠意が記憶に残り、再来店に繋がるのです。
 
再来店に繋がらないクレーム応対は、単に処理しただけでまったく意味がない行為。そう思って間違いありません。
 
 
 

5、心得その2:公私の切り替え時間を必ずもつ。

 
 
 
この心得は、心して聴いて下さい。
 
実は、このノウハウも知らない人が多いことの一つです。
対人応対が必要な職業は、人疲れを日々生じます。

ところが、人疲れしていても、本人には自覚がないというケースが多いのです。
自覚がないとどうなるか、あなたはご存じですか?
 
多くの場合、家族にあたるようになるのです。きつくあたる人もいれば、心身が疲弊しているため、家庭内で会話ができないという人も出ます。
妻の話を聞けない夫は、妻の話を聞かないのではなく、聞けない心の状態になっていると言うことが実は多いのです。ところが、妻は、そんなこととも露知らず、夫は私の話を聞かないと嘆き離婚へと向かう。これが、対人応対がある営業職に多い、夫婦不和のパターンです。
 
人疲れの放置は最悪の場合、DVや虐待ということもけっして珍しくはないと、私は見ているのです。
 
そこで大事になるのは、対人応対後や、接客した後は、そのまま帰宅しないということです。
 
必ず数分でも良いですから、切り替え時間をもって下さい。
 

■ 実践方法 ■
 

これも一人の場所で行います。座って行うより、最初は立って行った方がやりやすいです。
 
 

1、深呼吸を、数回繰り返します。

2,次に息を吐くときに、ストレスや怒り、不安、心の疲れは、口から体の外にでていきますとイメージする。これを、気分が落ち着くまで数回繰り返します。

 
 
具体的にイメージしにくい人は、黒い煙みたいなものが口の外に出ていくとイメージします。
この黒い煙と一緒に、体の中にあるストレスの原因となる怒りや不安、嫌な出来事の記憶、自分に取って不必要なものはすべて出ていくとイメージするのです。
 
そして、最後に自分に対して「これで大丈夫」と念じるのです。
 
これも、先ほど同様に、呼吸の仕方を事細かに説明することを、未定にしています。
具体的な方法は実践編で行う予定でしたが、新型コロナウイルスの流行で安全上控えます。
 
塾生の方々には、いずれお目にかけます。今しばらくは御容赦下さい。
 
新型コロナウイルスの流行のさなかでも、あえて話したのには、この心得は、家庭円満にとって非常に重要になるからです。
 
仕事を家庭に持ち込まないということを美徳として言う人がいましたが、今はテレワークもできる時代です。
したがって、家庭で仕事をする人が益々増えるでしょう。
 
そこで、私の言葉で表現すれば、仕事を家庭に持ち込まないという以上に、必要なことがあります。それは、仕事の時の心の状態を持ち込まない。たとえ無意識でも職場と同じ心のまま、家にいては駄目だと言うことです。
 
必ず公私の心のモードを切り替える習慣を持つ。特に対人応対がある職業の人は、公私の切り替えが必要なことを甘く見てはいけません。
 
なぜなら、何度も繰り返し言いますが家庭不和の原因になっていることが分かっているのです。
 
だからこそ、私のセミナーを受講すると、社内研修でありながら、商売だけに留まらず、家庭円満に繋がったと喜ぶ人が出るのです。
 
もしあなたが公私の切り替え時間を作っていないというなら、今日からどうぞ実践して下さい。
 
一ヶ月もする間に、良さが目に見えてくるでしょう。
 
 
以上が、接客の構えの作り方と、その心得です。

接客の構えがいかに大事か、ご理解頂けましたか?
 
 
 


 
 

商人道義塾が求める「接客の構え」のレベル

 
 
 
今までの話は初歩中の初歩、これからが商人道義塾でいう「接客の構え」の佳境に入ります。
 
今までの話が舞台に上がる前の状態と心得だとすれば、これからの話は舞台に立った本番です。
 
今度は、プロとしての状態についての話です。恐らく商人道義塾でしか取り扱わないであろうノウハウが、出現してきます。
心して受講してください。
 
 
「接客の構え」の完成形が、次の写真で分かります。
 
 



写真は同一人物です。
見比べてみてください。何が違いますか?
 
さらに理解を深めるために、あらためて質問をします。
 
こちらの写真の女性が店員として店頭に立っていると想像してください。
あなたは、はじめて来店したお客さまです。そして、欲しい商品の売り場を店員に訊きたいと思ったとします。
 
さぁ、左右どちらの店員に声をかけますか?
 
問題は、なぜそう思ったのか。ここで深く考えてください。ここが重要だからです。
 
なぜ同じ女性でも、話しかけやすい人と感じるのか。尋ねにくいと感じるのか。
実は店の集客力の差は、ここが源なのです。
 
これを知っている人は、現在非常に少ない。既にGMSや百貨店には、知っている人もいなければ、当然教えることができる人もいなくなっている。違うでしょうか。
 
もし、自社にはいると言う人がおっしゃるなら、是非訊いてみてください。
「では、自らの体から出る雰囲気を、一瞬でどう変えるのですか?」と尋ねてみてください。
明確に答えることができれば、問題ありません。
 
しかし「笑顔で、雰囲気を良くすれば良いのでしょう」この程度の回答なら、まったく話にならないレベルです。
 
大手のサービス業企業ほど、ビジネスマン教育のプログラムは豊富に受講していても、商人の教育を受けていないために、このような質問を答えられなくなっているのです。
 
人間のかもし出す雰囲気には、陰の雰囲気と陽の雰囲気があります。
集客に貢献する雰囲気こそ、陽の雰囲気なのです。この雰囲気の陰陽の差こそ、人間関係を司る源なのです。
 
人間は、無意識に発散するエネルギーで、相手を悪にも善にも変えられる生き物なのです。
 
初耳ですか? これが、実践実技の世界のノウハウなのです。
 
あなたも経験がないでしょうか。嫌う相手は、相手も自分を嫌っていることが多い。何をするわけでも、何を言うわけでもないのに、相手に自分の感情が伝わる。
 
ではなぜ伝わるのか、考えた事ありますか?
 
 
商人道義塾の塾生には、自分から発散する雰囲気を陽に変える方法を指導する予定です。
Web講義では、情報が一人歩きすると間違いの元になる恐れがあるため、現在どこまで公開するか検討しています。
 
間違いの恐れとは、本来陰陽のエネルギーは、人の言語に合わせてあるものではありません。
 
そこで、言葉尻だけを追ってしまうと、陽の雰囲気が良い人で、陰の雰囲気を発散する人が悪い人という解釈をされかねません。誤解すると、無用な差別の原因になる。また、陰陽は職種によっても適性に違いが生まれます。
 
陽の雰囲気が良い場合と、陰の雰囲気でなければ駄目な場合があるのです。
 
簡単に話すと、対人応対が多い営業職は、陽の雰囲気での立ち居振る舞いが必要です。
 
逆に、財務経理担当者が陽の雰囲気を出しすぎていると、浪費やミスが増える傾向になる。
したがって、職種にとって陰陽の雰囲気には適性が有るといった具合です。
 
 
しかし、このように単純なら話は簡単です。
 
例えば、医師の場合です。
 
名医と呼ばれるためには、患者やその家族と接している時は、陽の雰囲気をかもし出す。
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
その一方でオペ中は、陰の雰囲気を発散していないと細かい仕事はできません。
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
したがって、今の自分がどちらのエネルギーを発散していなければならないかを、コントロールすることが実践的なのです。
 
人間関係の良し悪しは、すべて自らの体から出るエネルギーの質で変わる。これが分かってこその接客業なのです。
これが接客は実践実技と、私が言う理由です。
 
私のセミナーを受け、夫婦仲や家族不和が良くなった。子供がいじめられなくなったという人がいましたが、私からすれば、自然なことです。
 
人間関係を司る源は、改めて言いますが、自分の雰囲気だからです。自分の雰囲気を変えると、周りの人心の状態に変化が生じる。これが、既に分かっているのです。


このたった2枚のドクターの写真を見て、聖路加国際病院の日野原重明先生が私に病院のコンサルティングをするべきだとおっしゃった理由が、お分かりになりますか。【link:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)参照』】
 
もし、この時点で直感的に分かったなら、あなたはサービス業で指導者になれる才能があります。
 
是非、商人道義塾の塾生になってください。あなたとの御縁を楽しみにしております。
 
 
 
 
聖路加国際病院の院長室に呼んで頂いた際、私は2枚の人物写真をテーブルに並べました。そして、日野原重明先生に尋ねました。
 
「この二人の人物のうち、患者には、こちらの人が接した方が根治が早まりませんか?」と尋ねました。
 
「君は、どこか病院で働いたことがあるのか」と、すぐに尋ね返されたため、「ありません」と答えたら、大変驚かれていました。
 
「なぜ、働いたこともないのに気づいたのか」と。
病院で働いていても、普通は気づかないのに、なぜ外部の君が気づいたんだというニュアンスでした。
 
逆から見れば、さも当然のように日野原重明先生は知っておられた。このことに、私もさすが患者をよくご覧になっている、そして看護師の重要さも深くご理解されている。さすがは、多くの人から慕われる先生だと感服したこと、今も覚えています。
 
 
薄々感じられたかも知れませんが、私がここで話す、雰囲気の陰陽は言葉の綾で言っている程度ではありません。
 
ただし、雰囲気の陰陽を数値化はできず、現在のところは非科学的ではあります。
 
したがって、容易には深いレベルまでは感得できないかも知れません。
 
しかし、サービス業で利用できるレベルは、誰しも経験的、あるいは本能的にすぐ理解できるものです。
 
そのため、専用のプログラムまで、既に用意されています。
 
プログラム名は、雰囲気改善プログラム©と言います。
正式名は、Karma improvement Program©です。
 
このプログラムは、店員の雰囲気を集客力を促す雰囲気に変える訓練を行います。習得すれば、数分で自分の雰囲気を変えられるとても簡単な訓練です。
 
成功すれば、何も言わずでも、ただ店に立っているだけで人流に変化が生まれます。習得すれば誰しもが、仙台四郎のようになれるのです。
【link:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)参照』】
 
 
そして、商売上だけでは済まなくなることがあります。雰囲気を改善し、その後の変化を体験した人だけが分かることがあるのです。
 
それは、なぜ私が「Karma improvement」と名付けたか。
この理由を、身をもって感じて居られます。
 
 
あなたも、体験されますか?
 
 
 
 
 
 

まとめ:「接客の構え」とは何か。

 
 
ここであらためて「接客の構え」とは何かについてまとめましょう。
 


 
1、
千差万別の価値観を有する人達が、未熟なまま死に至る世界に店を出し商売をするという覚悟を強くもつのです。
価値観が違うから嫌われることがある。未熟だからこそ、他者の至誠を受け入れられないこともある。それが人間なのです。
相手を責めるのではなく、人間という生き物の性を悟り、人を許す覚悟をもつのです。

この覚悟をもつと心が定まります。
 


 
 2、
そして、心の状態ができたなら、次に呼吸を整え体の無駄な力を抜く。
そして、己の体は見えざるバリアで守られていると鮮明にイメージし、お客さまの前に立つ。
 
これが、商人道義塾でいう「接客の構え」の基本であります。
 


 
3、
「接客の構え」の応用は、自らの体から発散されているエネルギーが、陰陽いずれかを絶えず意識して店頭に立つ。
これがコントロールできて、はじめて接客の体勢が整ったと言えるのです。
 
したがって、自分の雰囲気をコントロールできない人は、新人教育を正しく受けていない人達。即ち、サービス業従事者としての適性を有していない人達ということです。
 
簡単に言えば、まだ店頭に立ってはいけない人達ということです。
 


 
 
あなたもお気づきになりましたか?
 
そうです。店頭にたってはいけない状態にも関わらず、実際はGMSや百貨店等の大型店舗でも知らずに立っている店員各位が大勢いる。そして、売上低迷している。私からすれば、自然なことなのです。
 
実践実技の世界のプロフェッショナルが、準備もせず本番を迎えたところで、成果はでない。これは簡単に想像付くことではないでしょうか。
商売も同じなのです。
 

 


 
 

「直接接客©」と「間接接客©」とは何か

 
最後に、商人道義塾でいう接客について補足しましょう。
商人道義塾で取り扱う接客には、二つの異なる領域があります。
 
それは、「直接接客©」と「間接接客©」という領域です。
 
直接接客とは、お客さまに対面で接する時の接客です。
ほとんどの会社や店が、接客といえば、すべて対面だと思っています。
 
ところが、接客には対面だけではない接客があるのです。
 
例えば、大衆価格を謳い、家具販売を行うチェーン店があります。
その会社の方が、当社は接客をしないとテレビで発言されていました。
しかし、私から見れば、他社よりも遥かに接客しているのです。
 
それが、次の間接接客という領域です。
 
POP広告や商品陳列法等、店員が対面では接客しなくても、媒体越しに接客するということがあります。
 
間接接客とは、これを表した弊社ENLIGHTSの造語です。
 
こちらの家具販売チェーン店の店内から例を出しましょう。
 
接触冷感のシーツと通常のシーツを手を入れることで体験できるコーナーがある。
耐久テストの様子をソファーセットの横に置いてある。
電動リクライニングできるソファーには、すべて電源が入り体験できる。
耐久性や機能性を体験できることで値段以上の価値を演出し、きちんと商品の付加価値の提案を丁寧にしています。
 
これらは紛れもない接客行為なのです。ただし、店員各位が直接対面でしないだけです。だからこそ、間接接客と言うのです。
 
 
余談になりますが、ここでお話した家具販売チェーン店ですが、昨今婦人服販売をはじめています。
内見しに行って、一緒に行ってもらった人に試着してもらいました。侮れない凄みを感じました。さすが急激に発展されるだけあって、マーケティング能力のレベルが違うと感心しました。
 
ただ、マーケティング能力の高さ程度では、凄みまでは感じません。
是非、あなたも行かれて見てはいかがでしょうか。企業名を出さなくても、想像がつくでしょう。
入店されたら、40代後半以上の女性に試着してもらってください。そして、必ずバックショットをご覧になれば、私が感じた凄みに、簡単に気づかれると思います。
 
 
ファッションというのは、デザイナーだけ優秀でも、実は駄目なのです。良いデザイナーには、必ずと言って良いほど、優秀なパタンナーが裏にいます。
 
私が感じた凄みは、他社が怖くて手を出さない、カラフルな色を揃えたところと、縫製技術の高さです。
そして、試着室にヒールの高さの違う婦人靴を用意しているところを見ると、専門知識を有した人間を招聘している。周到な準備で他業種に進出してきていると感じたからです。
 
ただ残念なところもあります。現在の世の状況では止むを得ないことかも知れませんが、商人道義塾で扱うようなノウハウを店員各位が習っていないと感じます。
 
例えば、声がけの間合いで分かりました。中高年層をメインターゲットにしているのに、20代から30代用の接客方法では、恐らく苦戦する確率が今後増えるでしょう。
 
私が残念に思った理由は、ノウハウを知らないから。そうではありません。
 
実に良い店員各位を採用しているにも関わらず、無二の人格を活かしていないところです。あれだけ良い人達が働いているのですから、人格を活かせる場ができれば、結果的に競争力は益々高まる。そして、店員の士気の高さに正比例して売り上げも伸びるだろうにと感じました。これらの点が、実に残念に感じたところです。
 
 
 
話を戻します。
 
なぜ間接接客という領域を設けたのか。この理由が重要なのです。
 
商売やセールスのセンスは、直接接客時だけと感じる人が、世の中には多いのです。
ところが、実際の現場で商売のセンスが如実に表れるのは、間接接客という領域なのです。
 
私が眺めていて非常に残念だと思う接客研修は、二つあります。
 
 

1、接客研修とは名ばかりで、実際は機器の操作や業務の遂行方法だけで終わる研修。

2、接客訓練というと、対面訓練しか行わない研修。

 
 
これらの研修は、実に勿体ない。つくづく思います。
 
サービス二元論のところでも話しましたが、成果の出ない人は、往往にして目的と手段を間違えます。
 
接客というのは、商売にとっては手段であって目的ではありません。接客の目的は何かということを分かっていれば、接客研修の目的も間違えることはない。そう思うのです。
 
 
直接接客の方に重きを置く事が売上向上になるか。間接接客に力をいれる方が売上向上になるか。これは、お客さまの年齢層によっても変わります。
 
いずれにせよ、間接接客という領域を軽視すれば、今の時代は売上は上がりません。
成功しているチェーン店やGMS、百貨店は、間接接客のレベルが高いのです。
 
ただし、昨今注意が必要なのは、間接接客という領域を自覚無く店舗運営していることが多い。
重ねて、直接接客も正しい教育ができる指導者も少なくなった。
これらが相俟って接客という領域が曖昧になってきているのです。
 
これが原因で、「入店者数は多いのに、レジに列ぶお客さまは少ない」という理由を探れないのです。
 
実例としては、ワインを直接輸入し、自社店舗でもインターネット通販でも販売している会社があります。Web講義では、社名は名誉の為控えます。
 
このワイン販売会社、自店での販売は従来通で、直接接客の領域は、上手くないのです。
ところが、インターネット通販事業の間接接客という領域は、非常に上手い。
 
直接接客の領域と、間接接客という領域を自覚無く運営していると、実際このような会社すら出現してくるのです。
 
自店でもWebサイトでも同じワインを扱っていて、訴求力のレベル差が同じ会社なのにまったく違う。こうした会社が既に生まれている。面白い現象だと思いませんか?
 
恐らくこの会社、このままだと近い将来自店舗の運営を止めるかも知れません。
 
 
そこで、こうした状況を改善するためには、ビジネスセンスが必要なのか。商売センスが必要なのか。これらも、現在は不明確になってしまっているのです。
 
だからこそ、あらためて商人感覚というものを再確認するときが来ているのです。
詳しくは商人道義塾のプロローグでも語っています。詳しくはこちらへ>>>
 
 
商人道義塾で接客と言ったら、直接接客と間接接客、二つの領域を指していると思って御理解ください。
二つの領域で共通しているもの、それは接客の目的は同じということです。
 
サービス二元論の講義で話したように、法人観点と私人観点とを分けて説明しましょう。
 
法人観点のサービスからみた接客の目的は、何でしょうか。
それは、商品の付加価値にお客さまが気づくことを手助けする行為です。したがって、生産者の思いをストーリーにしたりして、価格以上の価値に気づいて頂くことを意識します。そうしなければ、物が溢れている時代は、なかなか購入には至りません。
 
ただ陳列するだけで、お客さまに商品の付加価値に気づいて頂こうというのは甘い話。これでは、価格が安いときしか、お客さまにお得な印象付けができません。
お客さまに商品の付加価値に気づいて頂けない、これが粗利益を増やせない原因を生む一つなのです。
 
では、私人観点のサービスからみた接客の目的は、何でしょうか。
 
店員本人がお客さまに感謝して頂く存在になることで、自分の存在価値を高めていくことです。そして、他の誰でもない「私がいる店」、この記憶がお客さまに残って接客行為が成功となります。
 
お客さまを助けつつも、結果的に自分が助かる道、それが私人の観点からみた接客の目的です。
 
この私人観点の接客目的を重視する経営者がいる会社や店は、今後ブランドイメージが高まり、競争力がでるでしょう。
 
物を見て人を見ずの経営方針で現場のやる気を下げる経営者が減り、本物の商人が経営する会社が増えて行かれることを願っています。その方が、巡り巡って社会幸福を増すからです。
 
 


これで、講義を終わります。
 
 
 


 
■ 番外編 ■
 
 

体から最も隙の無くなる構え

 

それは、捨て身になる構えです。しかしこの場合の捨て身とは、自殺するような状態ではありません。また盲滅法でもありません。

捨て身とは、囚われない心の状態を表すのです。
 
拘りを持ちすぎて自分の心身を不自由にしては行けません。捨て身とは、自分に囚われない自由な状態であり、自分を守らない開放状態を表します。
 
 
例えば、禅の最中、警策【※】で叩かれたくないと思えば思うほど、逆に叩かれやすくなる。それは、恐れが心身の乱れを誘発するからです。
ところが、警策でどうぞ叩いてくださいと座っていると、叩かれにくくなる。覚悟によって迷いが消え、心身の乱れを誘発しないからです。
【※link:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)参照』】
 
これが、捨て身の心の状態です。
 
不動心も類似です。不動心とは、心が動かないのではなく、心が揺らがない状態なのです。迷いが消える元を心に有しているということです。
 
しかしながら、感覚の世界のこと、これ以上言語にする意味はありません。
 
 
これを踏まえて、商売では、どのように生かすのか。これこそが、お客さまから嫌われることがあるという事実を、先に覚悟することなのです。
 
この覚悟が、目先の現象に心奪われずに、公平にお客さまに接することのできる状態へと導きます。
 

以上

 
 

【広告】

【広告】

講義一覧

初めての方は、番号順に受講してください。

■ 前期プログラム ■

 

 

■ 後期プログラム ■

 

【広告】

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

【広告】