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全サービス業共通 実践ノウハウ編

TECHNICAL JOB

【続編】サービス業必須 六つの能力の養い方 Part3

 
 


 

包容力・受容力の養い方

 
 
共感性と感受性の養い方が分かったら、次は包容力・受容力の養い方です。
 
そこで、非常に重要なことがあります。それは、養い方の話の前に必要な認識から話します。
 
どんな人も受け入れ、嫌なことをされても、不条理なことを言われても、何があっても我慢する。これが、包容力と受容力の養い方だと言ったとします。
 
あなたは、できますか。正直に言えば、私はできません。「えっ!」と、驚かれましたか?
 
なぜ養い方の話の前に話すのか。これが大事な認識なのです。
 
なぜなら、包容力と受容力を養うことを、我慢の訓練だと勘違いしてはならないからです。勘違いをしてしまうと、無用な心労負担が増えてしまいます。
 
現実を踏まえつつ、実践する。これこそが、実践ノウハウです。
 
人それぞれ異なる価値観で生きながら、ましてや清濁併せもち、未熟なまま死に至るのが人間です。話して分かる人もいれば、会話では理解し合えない人間もいる。これもまた、人の世の現実です。
 
許せる人もいれば、けっして許せない人もいる。それが、人情ではないでしょうか。
 
したがって、あなたに先ず意識して頂きたいのは、包容力と受容力は、我慢の訓練ではない。
 
包容力と受容力を養うと言うことは、相手を受け入れる許容範囲をトレーニングで広げるということです。
 
受容する能力と、我慢する能力は、別ものだという認識をもって、受講してください。
 
 
そして、最初に話しましょう。許容範囲の限界は、どこにあるのか。
 
商売上で、最も分かり易くお話します。
窃盗や破壊、恐喝、これらは包容力と受容力を養う対象から外れるということです。
即ち犯罪者以外は、包容、受容すべき対象者として扱うということになります。
 
間違えやすいのは、言葉遣いが悪い、態度が悪い。そのため、激高しているクレーム客を許せない客としてしまうことです。
 
たとえ恫喝しているような言動であっても、金銭の要求をしない限り犯罪ではありません。単に怒っている人として対応しなければならないのです。
 
話が逸れますが、多くの方々の悩みの一つである、激高型のクレームについて、一つアドバイスしましょう。
 
業種を問わず、激高しているクレームや乱暴な物言いのクレームは、共通する台詞があります。
 
例えば、
「お前では、話にならない。社長(又は上司)を出せ」
「誠意を見せろ」
「私を怒らせると、大変なことになるぞ」
「私はPTAの役員をしている。事と次第によっては、周りのお母さん達にも言うわよ」
「SNSに、書き込むぞ」
 
他にもありますが、5つ例を挙げました。
 
これらを言われた際は、たじろぐ必要はなく、「大切なお客さまだと分かりましたので、私が責任を持って最後まで御対応させて頂きます」と、丁寧に言いきり続ければ良いのです。
 
「誠意を見せろ」と言われたら、「畏まりました。誠心誠意努めさせて頂きます。宜しくお願い申し上げます」と丁寧に且つ堂々と返事をすれば良いのです。
 
そうすると、二つのタイプのお客さまに分かれます。
一つは、激高を続けたままの人。
二つ目は、金銭の要求を臭わせてくる人。
 
二つ目の場合は、犯罪になります。法に抵触すれば、安心して専門家に任せれば良い。速やかに法的な対応をすれば良いのです。
 
一つ目の激高を続けたままの人の場合は、ここでは長くなるので割愛し、別の機会に講義をすることにします。実際の対応策は、当社のノウハウである、STAR Marketing戦略©というクレーム応対術を実施します。あらゆる激高型のクレームから、通常の立腹型クレームまで、幅広く対応できるようになります。
 
余談になりますが、包容力と受容力の力がついてしまうと、万引き犯に対する対応が変わります。叱るだけ、警察に引き渡すだけでなく、再犯しないように諭すことができるようになります。しばしば映画やドラマの台詞で言われる、「罪は憎んでも、人は憎まず」という感覚が分かってしまうからです。
 
因みに、店員各位に共感性と感受性の力がついてしまうと、万引きされにくくなります。良い接客は、善良な人達には喜ばれ、悪意のある人にとっては嫌な事になる。これを16歳の初アルバイト時に、私は気づきました。講義で私の見立て全て語ることは膨大すぎて難しいですが、深い部分まで理解して語っているのです。商人道義塾の講義は、けっしてきれい事や、理想論を語っているわけではない。これを、頭の片隅において、真剣に講義を受けてください。
 
講義内容が、あなたのものになれば、私の言うことの真偽は、現場で容易に分かります。どうぞ安心して受講してください。
 
 
 
それでは、話を本題に戻します。
 
理屈や理論で他人に対し、包容や受容が必要であり、それが商売、サービス業従事者として必須能力だと、分かったぐらいでは、まったく役に立ちません。
 
したがって、理屈や理論で、包容力と受容力を高めようとしても無理なのです。
頭で理解したところで、体が動くとは限りません。体が動かないことは、できないのと同じということです。
 
 
では、どうしたら包容力と受容力を養うことができるのか。
方法は、残念なことに、たった一つしかありません。
 
頭で理解しようとせず、心と体での体験を増やすことで慣れさせる。これが最も効果的であり、実践的なのです。
 
したがって、いろいろな人に接しながら、人に慣れるしかありません。
それでも、包容力と受容力を養うためのコツがありますので、お分けします。
 
それは、心がけが重要だということです。
 
心がけとは、「苦手な人、嫌と感じる人が来たときこそ、自分の包容力と受容力を高めるチャンスだと思う」、これがコツです。
 
最初は、無意識に体が嫌がります。そのため、逃げたくなります。この感覚と戦うことから、はじめなければなりません。
 
いろいろな人に慣れると言うことは、どういうことか。
例えば、筋肉も鍛えると強くなります。
 
最初は、5㎏が重いと感じても、繰り返し訓練することで、軽く感じることが生じます。
この時、なぜ軽く感じるのか。筋力がついたからです。最初はなかった筋力が、反復訓練で身に付く。これは誰しも知っていることです。
 
これと同じことが、心でも有るのです。自覚しにくいため、気づかない人もいますが、心も同じことを繰り返すことで耐えられなかったものが、耐えられるようになるのです。
 
心も鍛えると、確実に強くなります。
この現象を知っているからこそ、「苦手な人、嫌と感じる人が来たときこそ、自分の包容力と受容力を高めるチャンスだと思う」と言うことに深い意味が生まれるのです。
 
誰でも初めてお客さまに怒鳴られたりすれば、心身共に大きなダメージを受けます。
ところが、めげずに繰り返し、様々なお客さまに接すると、最初は苦手なタイプだったお客さまでも経験を積んだことで、苦手ではなくなってしまうのです。それだけではなく、最初は苦痛だったタイプの人が、苦痛ではなくなるのです。
 
サービス業従事者にとって避けて通れない認識は、他人に慣れた人間だけが生き残れる世界で働くという覚悟です。
 
ただし、そうは言っても実際どのようにすれば人に慣れることができるのか。
「自分は、何から行えば良いのか分からない」という人も、多くおられます。
 
そこで、厄介な人に出会ったら、自分を成長させてくれる有り難い人だと、あえて感謝してしまうのです。この感謝してしまうという心の状態が、心に余計な力を入れずに済む秘訣なのです。
 
心身共に力が入ると、人間は良い雰囲気を作るのが難しくなります。(詳しくは雰囲気とは何かの講義で確認してください)
 
実践ノウハウとして、お客さまに怒鳴られた直後に行うと、メンタルヘルス対策になる良い呼吸法もあります。
しかし、残念なことに、コロナ禍が長期化する中では、感染防止から話すことができません。改めて塾生には、いずれ話そうと考えています。
但し、心配がいらないのは、包容力と受容力が高まってしまえば、呼吸法を知らなくても困りません。安心してください。
 
 
包容力と受容力を養うことは、自分には難しい。
あるいは自信がないと言われる人が、多くおられると思います。
 
生身の人間にとって、嫌な人間を好きになる。また、不条理な人を許すというのは、言葉で言うほど簡単ではありません。人を許す際、自分だけが我慢すれば済むと思える心の強い人なら、養い方を学ぶ必要はないのかもしれません。
 
しかし、我慢できるほど心が強い人の方が少ないと思います。そこで、人を許すという心の状態には、二種類の状態があるということを、お話しましょう。
 
 
一つ目は、自分が耐えて人を許すという状態です。先にも話したように、包容力と受容力は、我慢することではありません。
しかし、慣れるまで、力がつくまでは、我慢する感情も、必要になる場面もあります。
 
 
二つ目は、経験を積み、心を鍛え、心が強くなることで、気にならなくなるという状態があります。気にならないという心理状態にする。これが、私が言う商売に必要な包容力、受容力が手に入ったという感覚です。
 
では、気にならなくなるとは、どういう状態でしょうか。
 
人は、相手と心のレベルが同じ時に、怒りや不平不満に飲み込まれます。そして、争いの渦中に入ってしまう。 
ところが、自分の心が、相手の心よりレベルが昇華していると、全く気にならなくなるようにできているのです。
 
例えば、アリのケンカを観て心が痛んだり、動揺したりしないのと同じです。
 
そのため、不都合に感じる相手に感謝して、自分の心のレベルを昇華してしまうことは、実は非常に大事な生き方の秘訣なのです。 
無論、自分の心のレベルを昇華させることは、人を見下すということではありません。誤解なく御理解ください。
 
嫌な人のことが、気にならなくなるまで、あえてとことん接することが、逆に速やかに楽になるコツなのです。
 
 
ここで包容力と受容力が飛躍的に高まる方法を、お話します。
 
怒っているお客さま、嫌なお客さまの対応が終わったとき、一息つきたくなる。そう思う人が多いです。ところが、これが成長の邪魔をしてしまうのです。
 
例えば、店長がお客さまのクレーム応対が終わった店員に、「バックヤードで、少し休んで来て良いよ」と、言うことがあります。一見、何て優しい店長だと思う人は多いでしょう。
ところが私から観ると、良かれと思って、実は過酷なことをしているな。そう見えるのです。
 
大事な事は、人に慣れることによって、いかなる状況も耐えられる心身を得ることです。
したがって、耐えられるようにして上げることが、本当の優しさなのです。
実践実技の世界は、厳しく聞こえますが、そういうものなのです。
 
そこで、怒っているお客さま、嫌なお客さまの対応が終わったときは、間髪入れずに、次のお客さまの対応をはじめるのです。これが、実践的な秘訣です。
 
 
 

お客さまの疲れは、お客さまでとる。

 
 
 
この言葉、表現は乱暴に見えますが、実際の現場で接客する人達にとっては、とても大事な心得であります。これも、実践ノウハウなのです。
 
嫌なお客さまもいます。やる気が無くなり、心折れることも有る。その一方で、やる気にさせ、活力の源となるお客さまもいるのです。これもまた現実です。
 
 

招かざる厄介な客が、自分の心の砥石となり、己を成長させ、
温かく接してくれる客が自分を奮い立たせる活力となる。
接客業とは、斯くなる世界。

 
 
 
是非、あなたのできるところからチャレンジし、コツを掴んだら、それを後進に伝えてください。店員各位が、人に強くなる。これこそが、店舗評判を盤石にしていく源です。
 
 
 

包容力と受容力が養われるメリットとは。(応用編)

 
 
 

 
 
上の写真を見てください。
意地悪な人。感じの悪い人、性格が悪そうな人。こうしたことが観察できたとしても、能力があるとは言えません。目に見えたものを感じているに過ぎないからです。
 
 
 
それでは、次の写真はどうでしょうか。
 
 

 
 
 
 
優しそうな人。温かみのある人。親切そうな人。そのような良いイメージを感じませんか。
 
ところが、お気づきのように一枚目の写真と、二枚目の写真の女性は、同一人物です。
 
 
一枚目の写真の顔を、自分に向けている最中に、二枚目の写真の女性を想像できますか。
「自分は想像できる」、これが、包容力と受容力が有るという証しなのです。
 
眼前の人が、鬼の顔をしている時点で、今は鬼の顔でも普段は良い人だろうと、仏の顔の状態を想像できる。こうした心構えでお客さまの前に立てる人が、激高型クレームの応対時間が劇的に少なくできる人なのです。
 
無論、最初からは、誰もできません。
しかし一度でも、鬼の形相のお客さまを、自分の接遇で仏の顔にできる経験を味わってしまうと、自信が得られます。
 
そうすると、次に鬼の形相で怒るお客さまと会っても、怒っている最中に、普段の優しい様子を想像して上げられる様になるのです。
これが、包容力と受容力が高まったという感覚なのです。
 
 
 
 

人の邪をみて、人の善を悟る。

 
 
 
人の悪人相から、その人の善を悟り、許すことまでもできる。この感覚こそ、世俗の中で最上級レベルの心の状態である、慈悲の眼差しです。
 
商売が、いかに人間修養に適しているか、あなたはお気づきになったでしょうか。
 
商売の世界、あるいは接客を伴うサービス業の世界は、仕事をしながら高度な精神が修養できる恵まれた職業なのです。
 
ところが、人の世話は面倒、人は嫌いと思う人にとっては、地獄の職業になる。それが、商売で有り、接客業です。
 
人間の世界は通常、何事もお金を払って習います。
しかし、お金を頂いて習える世界があるのです。考え方さえ変えれば、これほど素晴らしい職業はないと言えるものがある。それが商売の世界であり、接客業という世界です。
 
これに気づくことこそが、大事な意識なのです。
 
 
この点に気づかないままで雇用を続ける経営者、管理職、教育担当者のいる会社は、せっかく素晴らしい世界に身を置いているにも拘わらず、従業員に最も良い経験をさせずにいると言うことです。だからこそ根の深い罪になる。
あなたも、そうお感じになりませんか。
 
あなたも、お感じになったのであれば、「従業員の物心両面の幸福は何か」、この本意が分かったと思います。それこそ、何より尊いことです。
 
 
 
 
 

理解度テスト問題

 
 
次の老人は、どのような人に見えますか。
 
 

 
 
 
 
偉そう。気難しそう。偏屈。頑固者。人の言うことを聞かない。そうしたマイナスイメージは、たくさん出てきたでしょう。
 
そこで、この鬼の形相を見ながら、この老人の仏顔を想像できますか。
 
 
それでは問題です。
鬼の形相時点で、仏顔を想像するために何を想像しましたか?
 
 

 
 
鬼の形相の時点で、上の二枚目の男性の顔が心に浮かぶ人を自社自店で増やす。これができた暁には、お店の評判は、意識せずとも劇的に良くなってしまいます。
 
人間の世界で店を出すと言うことは、人心の法則を知ることが強みになる。この意味が分かったでしょうか。
 
詳しくは、この後の講義でお話しますが、人間は心根が変わると、それだけで終わらないのです。その人から、かもし出す雰囲気も同時に変わってしまいます。
 
そして、発散されるエネルギーの質で、売り上げも、集客も変わるのです。
これが、商人道義塾の講義、実践ノウハウ編の醍醐味です。
 
  
 

包容力と受容力があるということは、我慢力、胆力があるということではなく、明察力が高いと言うことである。

 
 
 
是非、現場で試してみてください。
 
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